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深刻化するカラオケ騒音問題、ホーチミンでは住民間対立も発生

<写真:dantri.com.vn>
ホーチミン市では住宅地におけるカラオケ騒音被害が深刻な社会問題となっている。
市民からの通報は増加の一途をたどり、2024年初頭から6月までの半年間には、市の通報窓口「1022」には約2万1000件に上る騒音に関する通報が寄せられた。
その大半が家庭内でのカラオケや商業施設における音楽が原因とされている。
ビンタイン区で最近発生した事件では、近隣住民が繰り返し屋外で酒宴を開き、大音量でカラオケを歌い、被害者となったアン氏は長年悩まされていた。
アン氏は複数回にわたり通報を行ったが状況は改善されず、病気療養中も騒音による影響を受け続けていたという。
6月22日、再び騒音が響いた際に注意を促したところ、酔った相手がアン氏宅を襲撃し、門を破壊した上で罵声を浴びせる事件に発展した。
警察が出動し、公共の秩序を乱したとして加害者を拘束する事態となった。
同様の被害は他の地域でも報告されている。
ディエンビエンフー通りでは、近隣住民によるカラオケの騒音に耐えかねた女性が引っ越しを決意したが、騒音が理由であることが知れ渡り、購入希望者から値下げを要求される結果となった。
最終的に市警察への通報を経て、ようやく騒音が収束したという。
騒音被害は住宅街だけにとどまらず、公園や飲食店の前でもスピーカーを使用した路上カラオケが横行しており、公共空間の平穏な利用にも支障をきたしている。
現行のベトナム環境基準では、6時~21時の騒音許容上限を70dBA、21時~6時を55dBAと定めているが、測定機器や人員の不足により、実効的な取り締まりが困難な状況が続いている。
現行の時間帯に基づく規制では音量の実態を十分に反映できていない。
特に遮音設備のない屋外においては、昼間であっても大音量のカラオケが周囲に甚大な影響を与えるため、室内での利用や事前通報による管理体制の構築が不可欠である。
ホーチミン市当局は、騒音の発生地域を正確に把握するための地図情報システム(GSI)の導入を進めており、今後はAIを活用して通報内容の分析や緊急度の判定を行うことで、迅速な対応と再発防止に向けた体制整備を図る方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。