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ホーチミンの戸建住宅価格高騰、労働者年収の176倍に到達

<写真:nld.com.vn>
ホーチミン市における戸建住宅の価格が労働者の平均年収の176倍に達し、一般市民にとって住宅取得が極めて困難な状況となっている。
米国の不動産調査会社CBREベトナムの発表によれば、2025年上半期における同市の戸建住宅の一次販売価格は1㎡あたり約3億ドン(約167万7000円)に達し、100㎡規模の住宅では約300億ドン(約1億6770万円)となる。
これに対し、ホーチミン市および周辺地域の労働者の年収は平均で約1億7000万ドン(約95万300円)にとどまり、住宅価格との乖離は拡大している。
二次市場においても、1㎡あたりの取引価格はおよそ1億6000万ドン(約89万4400円)であり、50㎡の住宅でも最低80億〜160億ドン(約4472万〜8944万円)が必要とされる。
JLLベトナムの調査では、2025年第2四半期の一次販売価格はさらに上昇し、1㎡あたり4億3000万ドン(約240万3700円)に達している。
これにより、戸建住宅1戸の価格は150億〜400億ドン(約8385万〜2億2360万円)にのぼり、月収1250万ドン(約6万9870円)の労働者や若年層の家庭にとって、住宅取得は一層非現実的なものとなっている。
ベトナム社会科学院の報告もまた、戸建住宅に限らず、住宅全体の価格が所得に対して過大であることを指摘している。
2024年時点でホーチミン市内における住宅の平均価格は約75億ドン(約4192万5000円)であり、これは世帯年収の約32倍に相当する。
不動産業界団体HoREAによれば、月収3000万ドン(約16万7700円)の労働者が年間1000万ドン(約5万5900円)を貯蓄したとしても、20億ドン(約1118万円)の住宅を取得するには20年以上を要する。
現在、ホーチミン市内の分譲マンションは40〜50億ドン(約2236万〜2795万円)、戸建住宅は100〜300億ドン(約5590万〜1億6770万円)で取引されており、一般的な労働者が取得するには40年以上の蓄積が必要とされる。
このような価格高騰を背景に、戸建住宅の需要は急減している。JLLのデータによれば、2025年第2四半期の販売消化率はわずか27%にとどまり、DKRAグループの調査では、2025年7月の販売率は8%と、前月比で75%減少した。
専門家は住宅購入希望者に対し、ホーチミン市近郊のタイニン省、ドンナイ省、ビンズオン省などの衛星都市を検討するように提案している。
これらの地域では、戸建住宅の価格が1平方メートルあたり4000万〜5000万ドン(約22万3600〜27万9500円)と比較的手頃であり、交通インフラの整備も進行中であるため、通勤圏としての利便性も向上しつつある。
ホーチミン市の都市圏拡大および交通インフラの整備がさらに進めば、戸建住宅取得へのハードルも次第に緩和されるとの期待が高まっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。