おすすめのプロモーション
ホーチミンのバイク配送員、6割が下宿生活でEV充電不可

<写真:thegioixedien.com.vn>
ホーチミン市は2029年までに配車アプリなどで活動するバイク配送員からガソリン車を排除し、電動バイク(EV)への完全移行を目指す方針を掲げている。
しかし、現実にはインフラ整備の遅れが大きな障害となっている。
Grabベトナムによれば、ホーチミン市内のバイク配送員の約60%が下宿生活を送っており、自宅でのEV充電が困難な状況にあるという。
ホーチミン市の計画によれば、2026年からはガソリンバイクの新規登録が制限され、2028年までに配送員の80%が電動バイクへ移行することが見込まれている。
これにより、年間31.5万トンの二酸化炭素(CO₂)と2000トンのPM2.5の排出削減が期待されており、2050年のカーボンニュートラル目標達成に向けた重要な施策とされている。
しかし、Grabの調査によれば、現時点で配送員の6割がEV移行に慎重な姿勢を示している。
その背景には公共の充電ステーションの不足、異なる事業者間での充電設備の共有体制が未整備であること、バッテリー性能や充電時間に対する不安などがある。
配送員の多くは長時間にわたりホーチミン市内を走行する必要があり、1回の充電での航続距離や充電に要する時間が業務効率に直結する。
また、夜間に充電可能な設備を持たない下宿住まいの配送員が多数を占めることも、移行の大きな足かせとなっている。
こうした課題に対応するため、Grabは自社地図サービス「GrabMaps」に充電ステーションの位置情報を統合する機能の開発を進めている。
また、EV購入支援として分割払い制度や優遇金利付き融資制度の導入も検討中である。
一方で、EVの初期費用の高さや融資手続きの煩雑さも障壁として残る。
特に、地方出身で都市部に住民票を持たない配送員は、行政による支援制度の対象外となる場合が多く、実質的に支援が行き届かない状況にある。
Grabは、現在の移行方針について、車両の使用効率や使用年数に応じた段階的な移行の検討、ならびにハイブリッド車の導入も選択肢として考慮すべきであると提案している。
なお、登録機関によれば、現行制度においてガソリン車から電動車への強制移行義務はなく、あくまで「無排出または低排出のクリーン燃料車両」への転換が求められている。
ただし、現時点でバイクに適したクリーン燃料車は市場に広く普及していない。
都市部ではすでに電動バスの導入が進められており、2025年からはホーチミン市とハノイ市での本格的な展開が予定されている。
2023年には議論の対象であった公共交通の電動化が、いまや現実の取り組みへと移行しつつある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。