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年間約39億ドルの食品廃棄、ベトナム・フードロスの現状

<写真:quangngaitv.vn>
ベトナムでは毎年約800万トンの可食食品が廃棄されており、その経済的損失はおよそ39億ドル(約5842億2000万円)に達する。
これは国内総生産(GDP)の約2%に相当し、1人当たりの年間食品廃棄量は76kgと、世界平均の74kgを上回っている。
ベトナム食品バンクネットワークのグエン・トゥアン・コイ会長によれば、特に野菜・果物が全体の32%、肉類が14%、水産物が12%と、廃棄される食品の中でもこれらの品目が大きな割合を占めている。
ホーチミン市では1日あたり約1万3000トンの家庭ごみが排出されており、そのうち食品廃棄物は約7800トンにのぼる。
現在、廃棄物の大半は埋め立て処理されており、有機廃棄物のリサイクルに関する技術は十分に発展していない。
加えて、分別後の運搬・処理体制も未整備の状況にある。
こうした課題を受け、9月29日の「国際食品ロス・廃棄防止デー」に合わせて、ベトナム食品バンクネットワークは新たな取り組みとして「Green Hero」プロジェクトを立ち上げた。
本プロジェクトでは、外食産業や農業団体と連携し、現地での食品廃棄物の処理と再利用を推進する。
具体的には、黒兵衛バエやミミズなどを活用した堆肥化および飼料化の技術を導入し、農村部と都市部の双方において、循環型の食料システムの構築を目指している。
また、レストランやスーパーマーケット、市場、農場をテクノロジーによってつなぐエコシステムを整備し、食品廃棄物を肥料や再生食品、さらにはクリーンエネルギーへと転換する仕組みを構築する計画である。
ホーチミン市料理協会副会長のグエン・タイン・タム氏は「食品廃棄物の再利用は、企業のコスト削減と環境保全の両面において重要な意義を持つ」と述べ、プロジェクトの全国的な普及に期待を寄せている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。