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シッパー入店禁止の貼り紙、SNS上で賛否両論の声

<写真:thanhnien.vn>
ホーチミン市を中心とした一部の飲食店において、配達員(シッパー)の店内立ち入りや客席利用を制限する貼り紙が掲示され、SNS上では賛否両論が飛び交っている。
物議を醸しているのは「シッパーは店内に入らず、客席にも座らないこと」と明記された通知である。
この対応に対し、職業差別ではないかとする批判が一部で上がる一方、店舗側の事情を理解しようとする意見も少なくない。
店舗側の主張としては、限られたスペースや混雑時のオペレーションへの影響、そして来店客の快適性を確保する必要性が挙げられている。
特に狭小店舗においては、料理の受け取りを待つシッパーが店内にとどまることで、他の客へのサービス提供に支障が出るとの指摘がある。
また、シッパーの中には店内で大声で通話をしたり、マナーに欠ける行動をとる者もおり、店舗側に苦情が寄せられるケースもある。
一方で、飲食店の多くがデリバリー注文に大きく依存している現実も無視できない。
ホーチミン市内のある麺料理店では、売上の4割以上がデリバリーによるものであり、同店ではシッパーに対して15%の割引を提供するなど、感謝の意を表す取り組みを行っている。
別の店舗では、シッパー専用の待機スペースを設け、無料の冷茶を提供するなど、配慮を示す事例も見られる。
シッパー側からは「椅子や飲み物があれば助かるが、それよりも料理を迅速に用意してもらえることが重要」との声が多く、配達効率を重視する姿勢がうかがえる。
しかし、現実には店舗スタッフの対応が遅く、外で雨に濡れながら待たされるケースもあり、不満を訴える声もある。
また、防犯上の理由からシッパーに対する警戒心が強まっている背景もある。
過去には、シッパーを装った窃盗被害の事例も確認されており、店舗側が対応を慎重に進める理由の1つとなっている。
こうした中、「禁止」といった強い表現ではなく、より丁寧で柔らかな文言を用いることや、代替案の提示を求める声が多く聞かれている。
本件は店舗とシッパーの双方が抱える事情や立場を尊重し、相互理解のもとで現実的かつ持続可能な運用を模索する必要がある事例である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。