おすすめのプロモーション
ベトナム製造業、受注回復で3カ月連続の改善傾向

<写真:baodautu.vn>
ベトナムの製造業は回復基調を強めており、米調査会社S&Pグローバルが発表した2025年9月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.4を記録し、好不況の境目とされる50を3カ月連続で上回った。
新規受注の回復が全体の事業環境改善を後押ししている。
S&Pグローバルのエコノミストであるアンドリュー・ハーカー氏は、対外需要は依然として力強さを欠くものの、関税政策の明確化によって一部の企業が海外からの新規受注を確保できたと指摘する。
輸出は安定化の兆しを見せており、生産量も5カ月連続で増加している。
こうした状況に対し、関係当局も前向きな姿勢を示している。
9月下旬に開催された第3回ベトナム経済フォーラムにおいて、商工省輸出入局のグエン・カム・チャン副局長は、2025年1〜9月の輸出額が前年同期比で15%増加したと報告した。
これは通年の成長目標である12%を上回るペースであり、大きな市場ショックがなければ達成は確実であるとの見通しを示した。
一方で、物価上昇は依然としてリスク要因とされる。
近月は原材料費および販売価格の上昇が続いており、今後の需要を抑制する可能性があるとS&Pは指摘している。
また、主要輸出先である米国では新たな関税措置や技術基準の導入が進み、家具や水産品など一部製品の輸出に支障を来す見通しである。
こうした環境変化に対応するため、HSBCの貿易専門家は企業および政策当局に対して、市場の多様化と供給網の柔軟性確保を提案している。
欧州、日本、アジア諸国への販路拡大に加え、デジタル統合や早期警戒システムの導入、資金繰りの効率化などが今後の重要課題とされる。
HSBCは「グローバル貿易は分断されつつあるが、停滞はしない」との見解を示しており、ベトナム経済には政策対応以上に、構造的に強靱かつ柔軟な成長戦略の策定が求められていると総括している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。