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ベトナム製造業PMI、2カ月連続で50割れも楽観的な見方維持
<写真:vnbusiness.vn>
ベトナムの製造業の景況感を示す購買担当者景気指数(PMI)が、2カ月連続で50を下回った。S&Pグローバルが2月3日に発表した1月のPMIは48.9で、前月の49.8から低下した。これにより、2025年の初月も製造業は縮小傾向が続いている。
PMIは50を上回ると業界の拡大、下回ると縮小を示す指標である。今回の数値は悪化を示しているが、S&Pグローバルは「縮小の程度は比較的緩やかである」と分析している。
1月のPMI低下は新規受注と生産の減少が主な要因である。新規受注は4カ月ぶりに減少し、輸出向け受注も3カ月連続で落ち込みを見せた。調査対象企業の多くは「顧客需要の低迷が影響した」と報告している。
生産もわずかに減少し、4カ月ぶりのマイナスとなった。企業は業務量の減少に対応するため、雇用の削減と在庫圧縮を進めている。雇用は4カ月連続で減少し、そのペースは2024年5月以来最も速い水準となった。
一方で、原材料の調達はわずかに増加した。一部の企業は、今後の生産に備えて十分な材料を確保する意向を示している。ただし、仕入れた材料の納期は5カ月連続で遅延しており、物流の停滞や輸送コストの上昇が影響しているとみられる。
コスト面では原材料価格や輸送費の上昇ペースが鈍化し、18カ月続いたコスト上昇トレンドが緩和された。1月の上昇率は過去平均を下回る水準となった。
これにより、企業は販売価格を引き下げる余地が生まれ、9カ月ぶりに製品価格の値下げが実施された。ただし、その幅は小さく、主に需要回復を促す狙いがあるとみられる。
PMIが2カ月連続で50を下回ったものの、企業の先行き見通しは改善している。1月の業界の景況感は過去19カ月で最も低かった12月の水準から回復し、調査回答者の36%以上が「今後12カ月間で生産が増加する」と予測している。これは、市場需要の回復への期待を反映したものである。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの経済ディレクター、アンドリュー・ハーカー氏は「ベトナムの製造業は2025年のスタートとしては厳しい状況にある。需要低迷により新規受注と生産が減少し、雇用削減も加速した。しかし、コスト上昇の鈍化により、企業は販売価格の引き下げが可能となり、需要回復への動きが見られる」と指摘する。
同社は2025年のベトナムの工業生産が4.6%成長すると予測しており、企業の楽観的な見方を裏付けている。今後の市場環境や需要の動向が製造業の回復の鍵を握ることになる。
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