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ハノイの新築マンション価格が急騰、庶民の手の届かない水準に

<写真:znews.vn>
ベトナム・ハノイの新築マンション市場において、1㎡あたり1億ドン(約62万円)を超える高価格帯の物件が新規供給の過半数を占める事態となっている。
調査会社One Housingが発表した2025年第3四半期の市場報告によれば、同価格帯の物件が全体の53%を占め、1㎡あたり5000万ドン(約31万円)未満の低価格帯物件は事実上姿を消した。
報告書では、ハノイ市内の平均分譲価格が前年同期比23%増の8560万ドン(約53万円)/m²に達しており、市場全体で価格の二極化が急速に進行していると指摘された。
新たに供給された8100戸の多くが中価格帯から高価格帯に集中し、とりわけ1億ドン(約62万円)/m²を超える物件が顕著に増加している。
実際、ハノイ市中心部だけでなく郊外においても、1㎡あたり9000万〜1億2000万ドン(約56万〜75万円)の価格帯が新築マンションの標準となりつつある。
例えば、ベトフン地区で開始された新規プロジェクトでは、50㎡・1LDKの価格が59億ドン(約3660万円)に達し、ドンガック地区においても、2LDK(72〜85㎡)が64億ドン(約3970万円)以上、3〜4LDKでは最大140億ドン(約8640万円)に及ぶ。
不動産情報サイトBatdongsanの調査によれば、2023年第1四半期以降、ハノイ市のマンション価格は約95%上昇しており、西湖やバーディン区などの中心部では、1㎡あたり1億3000万〜2億1000万ドン(約81万〜131万円)が相場となっている。
こうした状況下で、調査対象者の56%が「住宅購入は困難」と回答している。
One Housingの試算によると、年収2億〜13億ドン(約124万〜806万円)の中間層であっても、70㎡の標準的なマンションを購入するには9〜10年分の収入が必要であり、年収2億ドン(約124万円)未満の一般層に至っては、35年以上かかるとの見通しが示されている。
このような住宅価格の高騰を受け、ファム・ミン・チン首相は中央銀行に対し、高額不動産開発への融資審査を厳格化するように指示した。
不動産を担保とした貸出についても監視強化を求め、「高価格物件が庶民の住宅取得を妨げている」との懸念を表明している。
また、建設省は現行の価格水準が市場の実態を反映していないとし、「在庫確保や価格の吊り上げ、投機行為が価格を歪めている」と警鐘を鳴らした。
中でも中低価格帯の住宅、特に工業団地で働く労働者や社会的弱者層を対象とする住宅供給の不足が深刻化している。
これに対応する政策として、同省は住宅価格の抑制策を提案しており、2件目以降の住宅購入に対して融資制限を設ける案を検討中である。
具体的には、第2件目の購入に対しては最大50%、第3件目以降は30%までの融資制限を課す内容となっており、承認された場合、新方針は2027年3月1日までの適用が予定されている。
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