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HCMCの住宅価格高騰、都市課題に独英専門家が警鐘
<写真:baolamdong.vn>
ホーチミン市は、急速な都市化と人口集中に伴い住宅価格が高騰し、市民が住宅を購入または賃貸できない深刻な状況に直面する可能性がある。
この課題について、ドイツとイギリスの都市の事例をもとに、都市計画の専門家が警鐘を鳴らした。
これは10月28日に経済社会研究所(RISE)が主催したシンポジウムにおいて指摘されたものである。
ドイツ・パッサウ大学のゾーレン・カイル博士は、ベルリンやロンドンといった欧州の大都市では住宅価格が高騰し、庶民の生活が圧迫されていると述べた。
特にベルリンでは、都市の経済成長により住宅需要が一極集中し、家賃が急上昇した。結果として、住民は中心部から郊外へと移転を余儀なくされる状況が続いている。
ロンドンにおいても、富裕層による投資目的の不動産購入が住宅不足と価格上昇を招き、中間層や貧困層にとって住宅確保が困難となっている。
空き家の増加と同時にホームレス人口も増加しており、都市の二極化が深刻化している。
こうした傾向は、近年のホーチミン市においても見られる。
不動産コンサルティング会社によれば、2025年第2四半期の同市における分譲マンションの平均価格は1㎡あたり8000万〜1億2000万ドン(約46万3840〜69万5760円)に達し、前年同期比で最大30%上昇した。
また、7月に実施された行政区再編以降も、価格は平均で8〜18%の上昇を見せている。
このような状況を踏まえ、RISE科学評議会議長であり、元ホーチミン市人民委員会委員長のグエン・タイン・フォン氏は、都市再編後の空間戦略において「公共交通指向型開発(TOD)」を中核とし、10〜15の高密度都市ノードと4つの発展軸を設ける方針を示した。
加えて、新興都市区域においては、社会住宅用地として少なくとも20%を確保する必要性を提言している。
さらに、フルブライト大学のドー・ティエン・アイン・トゥアン講師は、都市の持続可能な発展には新たな都市財政メカニズムの確立が不可欠であると強調した。
その一環として、都市開発調整庁(MDA)の設置と、都市インフラ基金(HIF)の創設が提案されている。
HIFは、都市開発プロジェクトへの投資資金を一元的に管理・配分する役割を担い、国際開発援助(ODA)や民間資金を活用した「ブレンデッド・ファイナンス」手法の導入も検討されている。
都市の拡大と格差の是正、そして住宅の適正価格化を同時に実現するためには、中長期的な政策の整備と戦略的な投資が不可欠であると、専門家らは一致した見解を示している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。