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ホーチミンのマンション価格、戸建住宅との価格逆転現象

<写真:thanhnien.vn>
ホーチミン市の不動産市場において、分譲マンションの価格が戸建住宅に並ぶ、あるいは一部で上回るという逆転現象が広がりを見せている。
東部地区の「The Metropole」では、専有面積85㎡のマンションが110億〜150億ドン(約6149万〜8385万円)で販売されており、近隣のタオディエン地区に所在する80㎡の戸建住宅よりも高値で取引されている。
同地域における他の高級プロジェクト「The Privé」「Eaton Park」「Lumière Midtown」などでも、マンションの価格は1億3000万〜2億5000万ドン(約72万7000〜139万8000円)/m²に達しており、戸建住宅の価格帯である1億1000万〜2億ドン(約61万5000〜111万8000円)/m²を明確に上回っている。
南部地区においても同様の傾向が見られ、「Celesta Rise」では平均単価が8000万ドン(約44万7000円)/m²となっており、周辺の戸建住宅よりも割高である。
また、合併によりホーチミン市に編入された旧トゥアンアンおよびトゥーザウモット市でも、マンション価格が急激に上昇しており、戸建住宅との価格差が縮小している。
2025年第2四半期の統計によれば、ホーチミン市内におけるマンション価格は前年同期比で29〜39%の上昇率を記録した。
一方で、戸建住宅の価格上昇率は2〜9%にとどまっており、両者の価格差が大幅に縮まり、逆転の動きが進行している。
この背景には、住宅購入の実需の高まりと、若年層を中心とする住環境に対する価値観の変化があると専門家は分析する。
従来は土地付き住宅が資産価値において優位とされてきたが、近年では交通アクセスの良さや周辺施設の利便性を重視する志向が強まり、マンション需要が集中する傾向が顕著となっている。
一方で、DKRA Groupは、マンション価格の高騰が一部で不自然な現象を生み出していると警鐘を鳴らす。
特に中・高級マンションの供給が過剰となる一方で、手頃な価格帯の物件が市場から姿を消しており、価格バランスの歪みが顕在化していると指摘する。
今後もマンション価格の上昇傾向が継続すれば、これまで根強かった「土地付き住宅が優位」とする認識に変化が生じ、不動産市場全体に価格連動の波及効果が及ぶ可能性がある。
特に都市部では、地価の高騰および供給制限の影響により、住宅価格構造における根本的な変化が進行しつつある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。