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高級飲食や娯楽体験を重視、現代的流通チャネル購買力が急回復
<写真:vneconomy.vn>
ベトナムでは、ホーチミン市やハノイ市などの大都市を中心に、消費者が高級な飲食や娯楽体験を重視する傾向が強まっている。
それに伴い、ショッピングモールやスーパーマーケットといった「現代的流通チャネル(モダントレード)」の購買力が急速に回復している。
ホーチミン市の商業施設「Vạn Hạnh Mall」では、7月から9月期における来場者数が前年同期比で10%増加し、月平均90万人に達した。
特に8月単月では、過去最高となる100万人超を記録した。
Hùng Vương Plazaにおいても、「買い物と景品」を連動させたキャンペーンの効果により、9か月間で来場者数が40%増加した。
さらに、サイゴンセンターやビンコム、ギガモールの飲食エリアは、週末になると常に満席となっている状況が続いている。
このような現代的流通チャネルの成長は、小売企業各社の業績にも如実に表れている。
Vincom Retailは2025年第3四半期において、税引後利益が前年同期比52%増の1兆3760億ドン(約80億6336万円)となり、過去最高を更新した。
Masanグループにおいても、すべての事業分野で20%を超える売上増加を記録している。
日系企業のイオンベトナムでは、年間売上が平均して30%のペースで拡大しており、2030年までに現在の3倍となる売上を目指す計画を明らかにしている。
一方で、伝統的市場における購買力の回復は依然として遅れており、現代的チャネルとの格差が拡大している。
市場関係者からは「以前は1kg単位で購入していた客が、今では数百gに減っている」との声も聞かれており、中低所得層や地方部では依然として慎重な消費姿勢が根強い。
オンライン販売も拡大傾向にあり、2025年1月から9月期におけるEC市場規模は305兆9000億ドン(約1兆7926億円)に達し、前年同期比で34%の成長を遂げた。
特に日用品、家電、美容用品において顕著な伸びが見られている。
市場調査会社Insight Asiaによると、現代的流通チャネルの市場占有率は2005年の15%から2024年には27%に拡大し、2030年には35%に達する見通しである。
一方、伝統的チャネルは2020年の73%から2024年には61%へと縮小している。
年末商戦や旧正月を控え、企業各社はプロモーション活動や体験型販売の強化に注力しており、現代的流通チャネルおよびECのさらなる成長が期待されている。
今後、消費市場における二極化の傾向は一層鮮明になる見通しである。
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