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韓国でベトナム人船員が大量失踪、違法就労問題の深刻化

2025年11月10日(月)07時00分 公開
韓国でベトナム人船員が大量失踪、違法就労問題の深刻化

<写真:nld.com.vn>

 

韓国に派遣されたベトナム人船員による大量失踪が相次ぎ、送り出し企業に対して多額の損失と深刻な信用失墜をもたらしている。

 

ハイフォン市に本社を置く海運会社「Lien Minh」は、過去16年間で10件の失踪事案に直面しており、直近では1人の船員が海に飛び込み逃走を図ったが、溺れかけて病院に搬送された。

 

この一件により、同社は22億ドン(約1287万円)の費用を負担することとなった。

 

船員の失踪が発生すると、船舶は韓国当局によって抑留され、調査が完了するまで出航が認められない。

 

この間、1日あたり最大7万ドル(約1071万円)の停泊費が発生することもある。

 

また、失踪者を出した企業や船舶は、韓国側の「ブラックリスト」に登録され、今後の入港が制限される可能性が高くなる。

 

そのため、企業は監視員の配置や再発防止策に高額な費用を投じざるを得ない状況にある。

 

このような問題の背景には、ベトナム人労働者が韓国での高収入に魅力を感じ、契約期間中であっても違法に陸上での就労を選択する実態がある。

 

特に、タイビン省やクアンチ省など一部の地域では、出国前に数千万ドンの誓約金を徴収しても失踪率が依然として高い。

 

実際、ヨンジュ市に派遣された41人のうち88%に上る36人が失踪した事例も報告されている。

 

さらに、法制度の不備も事態を悪化させている要因である。

 

送り出し企業は、労働者に対して保証金を徴収したり、契約違反に伴う損害賠償責任を課すことが認められていない。

 

そのため、契約違反者に対する実効性ある制裁が存在せず、失踪を未然に防止する手段が極めて限定的となっている。

 

ベトナム海外労働管理局の報告によれば、現在韓国には約10万人のベトナム人労働者が在籍しており、そのうち漁船乗組員が1万人、季節労働者が7000人以上を占めている。

 

特に、農業・漁業分野における短期労働ビザ(E-8)を利用した派遣では、8か月の契約でありながら、6500万ドン(約38万円)以上の手数料が必要な場合もあり、このような過大な初期費用が違法就労の温床となっている。

 

同局のブ・チュオン・ザン局長代行は、失踪問題が韓国への労働者派遣制度全体の障害となっていると指摘し、今後は企業による労働者の募集・研修・費用徴収の各段階における監督を一層強化する方針を明らかにした。

 

また、韓国当局との連携を強化し、違法就労を助長する現地企業に対する罰則の強化と、帰国者への支援制度の整備を進める意向を示した。

 

ベトナムと韓国は30年以上にわたり、製造業、農業、漁業、建設業、造船業を中心に労働力の供給・受入れ関係を築いてきた。

 

これらの分野では月額1500〜1800ドル(約23万〜28万円)の基本給与が提示されており、多くの労働者にとっては魅力的な就労先となっている。

 

しかし、現在この制度は信頼性を損ない、存続自体が危機に瀕している。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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