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驚きや感動に欠けるハノイの秋、日本の紅葉には勝てず
<写真:thuonggiaonline.vn>
詩歌の題材として称賛されてきたハノイの秋は、その情緒的な美しさにもかかわらず、日本や韓国のように国際的な観光ブランドとしての地位を確立するには至っていない。
観光業界関係者や専門家はその要因として、自然環境や観光資源の未整備、さらには体験型コンテンツの不足を指摘している。
韓国・南怡島や中国・蘇州の紅葉は視覚的なインパクトが強く、写真映えする景観が整っているのに対し、ハノイの秋は「美しい日もあるが、驚きや感動に欠ける」といった声が聞かれる。
旅行予約サイトAgodaの統計によると、10月から11月にかけての国内検索ランキングにおいて、ハノイはダナン、ホーチミン市に次ぐ第3位にとどまった。
一方で、国外旅行先として日本や韓国への関心は大きく高まり、京畿道や京都といった紅葉の名所に対する検索は前年に比べて20〜70%の増加を記録した。
このような差の背景には、日本や韓国が「紅葉の季節」を観光資源として戦略的にブランディングしていることが挙げられる。
両国では映画や音楽などのメディアを通じた広報活動、紅葉予報の早期配信、夜間のライトアップといった視覚体験の強化が積極的に行われている。
一方、ハノイにおいては都市景観の開発や自然条件の制約から、これに類する戦略の展開は困難であるとされる。
専門家によれば、ハノイは高湿度で昼夜の温度差が小さく、紅葉に適した気候条件に欠けている。
また、街路樹の多くが紅葉しない種類であるため、「秋らしさ」を視覚的に伝えることが難しい。
2018年に試験的に導入された紅葉樹の植樹も成果を上げることはできなかった。さらに、観光地の混雑や秋の短さといった要因も、魅力の形成を阻む要素となっている。
しかしながら、視覚に依存しない形でハノイの秋の魅力を訴求する可能性も指摘されている。
専門家は、キンモクセイの香り、伝統菓子「コム」や「チャールイ」の味覚、古都の街並みや街角の音といった、五感に訴える体験を活用すべきであると提案する。
これにより、他の観光地との差別化を図ることが可能になるとされる。
近年、市が開始した「ハノイ秋祭り」などの取り組みは、こうした課題を克服するための第一歩と位置づけられる。
ただし、観光ブランドとしての確立には、単発のイベントにとどまらず、継続的かつ体系的な施策の積み重ねが求められる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。