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ベトナム映画の相次ぐ失敗、興行収入400万円以下も多数
<写真:tienphong.vn>
近年、ベトナムの映画市場では興行的な失敗が相次いでおり、映画産業全体が厳しい局面を迎えている。
2025年10月末から11月初旬にかけて公開された複数の新作が、いずれも興行収入10億ドン(約583万円)に遠く及ばず、深刻な売上不振に陥っている。
中でも注目されたのが、『Bịt mắt bắt nai』および『Trái tim què quặt』の2作品である。
『Bịt mắt bắt nai』は10月31日の公開から2週間で6億5900万ドン(約384万2000円)の興行収入にとどまり、古典的かつ型通りの脚本構成、不自然な演出、さらには過剰な性的描写が批判の的となった。
一方、『Trái tim què quặt』はフランス文学を原作とした芸術性の高い作品であったが、公開1週間で6億4600万ドン(約376万7000円)にとどまり、言語表現や物語構成が一般観客の嗜好と乖離していたとの指摘が寄せられている。
同時期に公開された他の作品も同様に低調である。
コメディ作品『Thai chiêu tài』の興行収入は25億ドン(約1457万5000円)、『Phá đám: Sinh nhật mẹ』は54億ドン(約3148万2000円)にとどまり、いずれも採算ラインには達していない。
こうした中、ホラー映画『Cải mả』および『Nhà ma xó』はそれぞれ180億ドン(約1億494万円)超の興行収入を記録したが、製作費や宣伝費を差し引くと利益は限定的であると見られている。
急速に拡大した国内映画市場の現状について、映画評論家のレー・ホン・ラム氏によれば、市場は明確に二極化しており、ヒット作と失敗作との間には数千億ドンの差が生じている。
実際、成功作の中には7000億ドン(約40億8100万円)以上を稼ぐものもある一方で、大半の作品は興行収入10億ドン(約583万円)未満に沈む状況である。
新型コロナウイルス以降、ベトナム映画市場では観客の鑑賞基準がより厳しくなり、内容の質が高くとも大衆の支持を得られなければ商業的成功は望めないという現実が浮き彫りとなっている。
市場淘汰の進行とともに、映画製作における企画力、作品の訴求力、そして観客との接点の持ち方が今、改めて問われている。
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