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ASF感染で豚123万頭を処分、ベトナム畜産業に深刻な打撃
<写真:nguoiquansat.vn>
ベトナムにおいて、アフリカ豚熱(ASF)の感染が急速に拡大し、2025年1月から11月までの間に123万頭以上の豚が処分された。
農業・環境省の最新統計によれば、11月単月では31省で402件の感染が確認され、年初からの累計では34省で2495件に達した。これはASF発生以来、最多の処分数である。
感染拡大の背景には、小規模農家を中心とした消毒や飼育環境管理の不備に加え、多湿な気候がウイルスの拡散を助長していることが挙げられる。
さらに、毒性の高い新たなウイルス株の存在も確認されており、現行の防疫体制に深刻な課題を突きつけている。
豚の再飼育については地域によって状況が異なっており、中部地域では豪雨や洪水の影響で飼育規模の回復が遅れている。
一方、供給量の減少により豚肉価格は上昇傾向を示しており、11月中旬以降、北部では1kgあたり5万2000〜5万4000ドン(約307〜319円)、中部・西原では4万9000〜5万3000ドン(約289〜313円)、南部では5万1000〜5万4000ドン(約301〜319円)まで上昇した。
ただし、こうした価格上昇は一時的な現象と見られており、持続的な回復には至っていない。
ドンナイ畜産協会のグエン・キム・ドアン副会長は、輸入調整と国内消費の促進の必要性を指摘し、小売価格の見直しや食品安全に関する情報発信の強化を通じて、消費者の信頼回復を図るべきであると提言している。
一方で、家禽類の飼育については防疫措置の徹底により安定的に推移しているものの、牛や水牛の飼育は経済効率の低下や放牧地の縮小に伴い減少が続いている。
農業・環境省は年末にかけて感染状況の監視体制を強化するとともに、ウイルスの遺伝子解析を通じて新たな変異株の早期検出に努める姿勢を示している。
また、地方自治体や関連企業に対しては、防疫体制の整備とその支援を一層強化する方針である。
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