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ハノイで拡がる「肺洗浄」健康食品、医師が科学的根拠の欠如に警鐘
<写真:thuongtruong.com.vn>
大気汚染の悪化を背景に「肺のデトックス」や「PM2.5排出」をうたった健康食品がインターネット上で急増している。
SNSやECサイトでは「7日で肺をきれいに」「タバコの害を除去」「呼吸器を強化」といった広告が目立ち、多くの消費者がそれらの商品を購入している状況である。
高層マンション在住のあるハノイ市民は、窓の外に広がる灰色のスモッグに不安を感じ、ネット通販で「肺の浄化サプリメント」を購入したという。
「正規品」や「海外製」といった謳い文句に惹かれたが、製品の出所や効果に関する科学的な裏付けは一切確認できなかった。
このような現状に対し、医師らは強い警鐘を鳴らしている。
ベトナム血管学会のマイン医師は「肺を洗う薬は存在しない」と明言し、PM2.5が肺胞や血流にまで到達する性質を持つ一方、経口摂取された健康食品がそれを体外に排出する生理学的な仕組みは存在しないと指摘する。
また「幻想的な効能を信じることは、マスクの着用や空気の質の確認といった、科学的に有効な予防策を軽視することにつながりかねない」と懸念を示している。
さらに、専門家らは出所不明のサプリメントが健康被害をもたらす危険性にも言及する。
特に慢性呼吸器疾患を抱える患者が、正規の治療をやめて代替療法に頼ることで症状を悪化させる例が懸念されている。
元中央鍼灸病院技術センター副所長のゴー・クアン・ハイ医師は「『肺の解毒』や『PM2.5除去』といった言葉は医学用語ではなく、商業目的で作られた表現に過ぎない」と述べ、こうした虚偽広告に対する規制の強化を求めている。
医師らはAQI(空気質指数)の確認、N95マスクの着用、空気清浄機の使用といった基本的な対策に加え、蜂蜜や果物など自然な方法による免疫力の強化、呼吸法の実践といった生活習慣の改善を推奨している。
医師らは「肺を守る最善の方法は高額なサプリメントではなく、正確な知識と冷静な判断である」と繰り返し強調している。
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