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呼吸するだけでタバコ2本分、ハノイ大気汚染の健康被害
<写真:dantri.com.vn>
微小粒子状物質PM2.5による大気汚染の影響により、ハノイ市民が1日あたり平均して紙巻きたばこ2本分の受動喫煙に相当する健康被害を受けていることが、最新の研究により明らかとなった。
現在、ハノイ市は今季3回目となる深刻な大気汚染の局面にあり、11月28日から12月5日まで続くと予測されている。
国家大学ハノイ校工科大学の地理空間情報研究グループ(GEOI)が開発したAIモデル「HanoiAir」によると、12月1日時点のハノイ市全体の大気質指数(AQI)は平均143で「悪い」水準に該当し、PM2.5の濃度は世界保健機関(WHO)の基準値である15µg/m³の5倍にあたる77µg/m³に達した。
米国の独立研究機関「Berkeley Earth」は、PM2.5の濃度が22µg/m³の場合、24時間の呼吸による健康被害が紙巻きたばこ1本に相当するとしている。
この基準に基づくと、ハノイ市民は平均して41µg/m³のPM2.5を吸引しており、これは1日あたり約2本分の受動喫煙リスクに相当する。
世界銀行が2021年に発表した統計によれば、ハノイ市の人口の約40%、すなわち約350万人がPM2.5濃度45µg/m³以上の環境に曝露されており、大気汚染に起因する死者は年間5800人、全体の死因のうち32%を占めている。
医療専門家は、PM2.5の微細粒子が肺胞にまで到達し、気道の慢性炎症や心疾患、脳卒中、呼吸器疾患を引き起こす危険性を指摘している。
特に高齢者、子ども、妊婦、基礎疾患を持つ人々は影響を受けやすいとされる。
2024年のAirVisualによる報告では、ハノイ市のPM2.5年平均濃度は45.4µg/m³であり、世界の都市ランキングで7位に位置している。
最も深刻な都市はインドのニューデリーで、年間平均濃度は91.8µg/m³に達した。
専門家は、AIモデルによる空気質の予測が可能となった現在、AQIを天気予報のように日常的に確認し、外出や屋外活動の計画を調整する習慣を持つことが重要であると提言している。
ベトナム政府は大気汚染対策として、発電所や工場の操業調整、学校への屋外活動制限の指導などを進めている。
また、2026年から2030年の国家行動計画では、2030年までにPM2.5濃度を20%削減し、2045年までに年間平均濃度を25µg/m³以下に抑える目標を掲げている。
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