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ハノイの大気汚染が長期化、例年よりも深刻な状況が続く

<写真:hanoimoi.vn>
例年10月から翌年3月まで続くとされるハノイ市の「大気汚染の季節」が、2025年は4月に入っても終息の兆しを見せていない。
環境観測データによれば、4月のハノイ市における空気質は「非常に悪い」水準にとどまり、深刻な状態が続いている。
環境専門家であるホアン・ズオン・トゥン博士によれば、例年に比べ降雨量が少ないことが微小粒子状物質(PM2.5)の拡散を妨げており、これが汚染の長期化を招いている。
現状の気象条件が続けば、少なくとも4月いっぱいは汚染状態が続く可能性があるという。
ベトナムではPM2.5による大気汚染が2000年代初頭から社会問題として認識され、法整備も進められてきたが、依然として改善は進展していない。
トゥン博士は状況を打開するには政府による抜本的な対策が必要であるとし、地方自治体や関係機関の連携と実行力も不可欠であると強調した。
具体的には建設現場や伝統工芸村などから排出される粉じんの管理、公共交通の電動化などを優先すべき課題として挙げている。
さらに、トゥン博士は中国・北京市の取り組みを参考にすべきであると提言した。
北京市では過去10年間で公共交通インフラの整備に1000億ドル(約15兆3250億円)以上を投資し、2年間でバス1万台以上を電動化するなど、具体的かつ大規模な政策を推進してきた。
一方、世界保健機関(WHO)ベトナム代表のアンジェラ・プラット博士は、大気汚染が国民の健康に悪影響を及ぼすだけではなく、農業、観光業、そして労働生産性にも深刻な打撃を与えており、その経済的損失は年間130億ドル(約1兆9922億円)を超えると警告している。
プラット博士はまた、空気環境の改善はベトナムが持続可能な開発目標(SDGs)を達成する上でも不可欠であると述べ、早急かつ総合的な対策の必要性を訴えている。
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