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ハノイ旧市街の歩道整理整頓、健全化の一方で苦悩する商店主
<写真:vtv.vn>
ハノイ市は都市の秩序と景観の向上を目的として、旧市街を含む全域で歩道の整理整頓を進めている。
ホアンキエム区の旧市街では、これまで歩道を占拠していた店舗の軒先や商品棚が撤去され、歩行者の通行空間が確保されつつある。
一方で、営業スペースの縮小を余儀なくされた小規模商店主らは、厳しい経営状況に直面している。
ハンマ通りで38年間にわたり土産物店を営むフオン氏(59)は、店先の屋根や陳列棚の撤去により、限られた約5㎡の店内にすべての商品を収めることを余儀なくされたと語る。
「商品が見えづらくなったことで売上が落ちている。行政には設置可能な屋根の仕様などについて具体的な指針を早急に示してほしい」と訴えている。
ハノイ市当局は現在、違法な歩道占拠の取り締まりから、秩序の定着と維持へと重点を移しつつある。
ホアンキエム区では、歩道の幅に応じた車両駐車のルールを明確にするとともに、店舗が可動式の屋根を設置する場合には一定の基準を設け、許可制とした。
都市計画の専門家であるチャン・フイ・アイン氏は、公共空間の利用に対して適切な課金制度を導入することや、自動監視システムの整備が秩序維持の鍵になると指摘する。
「歩道の一部を賃貸可能とし、その対価を公共整備に充てるといった仕組みは、欧米ではすでに一般的である」と述べている。
ハノイ市は、2027年までの整備計画「計画332」に基づき、歩道やインフラの改修、美観の向上、衛生管理の4分野において具体的な基準を設定している。
第1段階として、2025年末までに意識改革と実態調査を実施し、2026年初頭からは大規模な取り締まりを開始する。
その後は監視体制を強化し、違反の再発防止を図る方針である。
これまでにもハノイ市は繰り返し都市秩序の回復に着手していたが、長期的な成果には結びついていない。
今後は監視の自動化や罰則の強化など、実効性のある制度構築が求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。