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南部ベトナムを彩る郷土料理、南部の風土と歴史が息づく9品
<写真:laodong.vn>
ベトナム南部は、多様な文化が交差する地域であり、その食文化にも自由で奥深い味わいが色濃く表れている。
以下に紹介する9つの料理は、同地域を代表する郷土料理であり、それぞれに南部の風土と歴史が息づいている。
まず、サイゴン(ホーチミン市)の街角で親しまれている「サイゴン風コムタム(Cơm tấm Sài Gòn)」は、庶民的な一皿である。
フランス風の豚ロースグリル、中華風の卵チャー、北部風の豚皮和え、さらに中部風の甘酸っぱいヌクマムが一皿に融合し、多様な文化が織りなす食のハーモニーを体現している。
「豚肉とアヒル卵のココナッツ煮(Thịt kho hột vịt)」は、テト(旧正月)の食卓に欠かせない料理である。
角切りの三枚肉と丸ごとのアヒル卵を甘辛く煮込んだ一品で、透き通った煮汁には家族の団欒と一年の繁栄への願いが込められている。
「ナマズの酸っぱいスープ(Canh chua cá)」は、南部家庭の定番料理であり、タマリンドやパイナップル、トマトなどによって生まれる複層的な酸味が特徴である。
オクラやモヤシ、香草とともに味わえば、蒸し暑い気候にも心地よい清涼感をもたらす。
「南部風バインセオ(Bánh xèo Ở Nam Bộ)」は、鮮やかな黄色のライスクレープにエビや豚肉、もやしを包み、鉄鍋で一枚ずつ焼き上げるのが特徴である。
カリッとした食感とライブ感が魅力で、家族や友人と囲む食卓に活気を与える。
「苦瓜の肉詰めスープ(Canh khổ qua nhồi thịt)」は、「苦しみを越える」との願いを込めてテトに食されることが多い。
ほろ苦さと豚ひき肉の優しい味わいが調和し、南部の暑さの中でも食べやすい一品となっている。
「ロットの葉で包んだ牛肉焼き(Bò nướng lá lốt)」は、香ばしく焼き上げたロットの葉の香りが食欲をそそる料理である。
2023年には豪紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』において、「世界屈指の美味」として紹介され、国際的な注目も集めている。
「南部風ブンリウ(Bún riêu Nam Bộ)」は、カニ団子、豚血、揚げ豆腐などの具材に加え、発酵調味料が奥深い風味を醸し出す。
北部の同名料理に比べて澄んだスープと華やかな彩りが特徴であり、味だけでなく視覚でも楽しませてくれる。
「鶏おかゆとサラダ(Cháo gỏi gà)」は、温かい鶏のおかゆと酸味の効いた鶏サラダを同時に楽しむことができる料理である。
軽食として親しまれ、特に雨の日や体調不良時に好まれる優しい味わいが魅力である。
最後に紹介する「海老のココナッツ煮(Tôm kho tàu)」は、殻ごと煮込んだ海老にココナッツの甘みをまとわせ、しっかりとした味付けながらまろやかな後味を楽しめる。
煮詰めたことで生まれる照りと香ばしさが食欲を引き立て、ご飯との相性も抜群である。
これらの料理はいずれも、南部ベトナムの風土と文化を映し出す味覚の結晶であり、家庭料理として長年親しまれてきただけではなく、地域の誇りとしても広く愛され続けている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。