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ベトナム、GDP成長率過去最高も年度内に低迷か
今年の第1四半期のベトナム国内のGDPは過去10年間で最高記録を更新した。しかし、月曜日、ベトナム政府はこの成長率の高さに反して、今後のGDPの成長率は低下していく見込みだということを明らかにした。
ベトナムのTruong Hoa Binh副首相はハノイで開かれる第14回ベトナム共産党中央委員会の第5審議の冒頭で今年のベトナムのGDPの状況についての報告をした。
報告によると、ベトナムのGDPの成長率は2018年の1月~3月だけで昨年同時期より7.38%上昇したという。この数字は2008年以来、最高の成長率だ。
同氏は「GDPが成長した大きな要因は第1次・2次・3次産業がそれそれ発展したからだ」と今回の結果を分析している。
特に、農業・林業・漁業などの第1次産業のGDPの成長率はこの四半期で昨年同時期より4.05%上昇した。昨年の同時期の成長率は2.08%だったため、昨年比約2倍に成長したことがわかる。
第2次産業である工業や建設部門の今年第1四半期のGDP成長率は9.7%だった。昨年同時期の成長率は4.48%だったため、成長率が大きく伸びたことがわかる。 第3次産業であるサービス業のGDP成長率は昨年同時期比0.34%増の6.7%になった。
しかし、Binh副首相は「現在、GDPが成長しているものの、今後のGDP成長率の推移は不安定になる可能性が高い。来年の第1四半期にはGDPの数値が今年より落ち込むことが予想される」と話す。
Binh副首相は「今年度第1四半期のGDP成長率の高さの要因は昨年同時期のGDP成長率がわずか5.15%と低かったことにある。そのはずみで今年の成長率が高くなっただけだ」と指摘している。
同氏は「大企業のSamsungベトナムとFormosaプラスチックグループはベトナム北部のHa Tinh省に製鋼工場を所有しており、同工場で生産された商品が今年の5月と7月を中心にベトナムの輸出額に大きく貢献する見込みだ。しかし、今年の第4四半期には成長スピードは減速し、GDPの成長が伸び悩むことが予想される。これは他の多くの業界にも当てはまる。今後は様々な分野でGDPが昨年に比べて伸び悩むだろう」と続ける。
また、同氏は「鉱山業でも生産量が減少し、特に原油の生産量は昨年より200万トン減少することが予想される。さらに、今後はASEAN諸国からの輸入品にかかる関税が廃止されることもベトナム経済に追い打ちをかけることになる」と危機感を募らせる。
これを受け、ベトナム政府はこれまでベトナム経済をリードしてきた業界とは別の業界に目を向けている。今後の経済成長の鍵は加工・製造業が握ると期待しているのだ。加工・製造業が順調に発展すれば、ベトナム国内全体の経済の発展に繋がることが期待されている。
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