ホーチミン、アフリカ豚コレラの感染拡大防止に務める

2019年06月14日(金)00時00分 公開
ホーチミン、アフリカ豚コレラの感染拡大防止に務める

<数ヶ月で200万頭の豚がアフリカ豚コレラに感染し殺処分となった。写真提供:AFP>


11日にホーチミン当局がアフリカ豚コレラの発生を宣言したのち、当局は感染拡大防止の措置を強化したという。


12日、地方自治体は人体に影響が無い病ではあるが豚コレラ感染拡大を防ぐため9区の外れにあるグエンズイチン(Nguyen Duy Trinh)通りに2つの検問を設置した。同市で最初に豚コレラが発見された農場のある場所だ。


同農場では163頭の豚が感染したが処分され、事態は収束に向かっていると同市の職員は語る。


2つの検問は感染が確認された農場から500メートル離れた場所に設置されたという。


関係当局は感染エリアを消毒するため、路面に石灰粉を数十袋分散布した。


家禽製品を積んで運んで感染地域を出入りするトラックは、交通警察によって止められ消毒剤を散布される。


<11日、アフリカ豚コレラが最初に発見された9区のNguyen Duy Trinh通りに地元当局が石灰粉を散布している様子。写真提供:VnExpress>


9区のNguyen Dinh Tri区長は、感染した農場の人間は外出を控え、防護服とマスクを装着した獣医師だけが区域に立ち入ることが許可されていると述べた。 さらに獣医師たちは作業の前後に自身を消毒することが必須だという。


近隣の路地は全て警備され、感染地の内外に豚肉や鶏肉製品を運ぶことが禁止されていると同氏は続けた。


同区内で感染していない残り6つの養豚家は感染予防措置を実施するように求められている。


同区のLe Thi Kim Chi副区長は、地方自治体も周辺地域に対する統制を強化したと述べた。


同区は、近隣の省の豚がホーチミンに入らないよう、感染症が消滅するまで門を封鎖し続けるだろうと同氏は語った。


ホーチミン動物衛生局のLe Viet Bao局長は、トゥドゥック(Thu Duc)、ホクモン(Hoc Mon)、スアンイェプ(Xuan Hiep)、アンラク(An Lac)などの周辺地域で感染統制のため4つの検問を設置したと語った。


さらに、同市内に持ち込まれた豚や豚肉製品の管理を強化するため3つの検査チームが24の地区で国道の警戒を行ったという。


ホーチミンのアフリカ豚コレラ発生で国内全63都市のうちハノイ、ハイフォン、カントー、ダナンなどの主要都市を含む55都市でアフリカ豚コレラの発生が確認されたことになる。


11日時点でベトナムでは豚コレラにより豚245万頭が殺処分されている。 アフリカ豚コレラウイルスは血液や唾液、涙、鼻水、尿、糞便、および動物の生殖管の分泌物から排出されるという。


食料農業機関によると豚や豚肉だけでなく残飯や寝具など豚が接触した無機物などの様々な感染源からもアフリカ豚コレラの感染の危険性はあるという。


治療方法が無い一方で人体に影響の無いアフリカ豚コレラだが、2月上旬に同国発生が確認されて以来、5月上旬、南部に到達するまでに北部、中部と急速に感染が拡大していた。


同国はアフリカ豚コレラにより1億5400万ドル(約160億円)の損失が発生すると見込まれている。グエン・スアン・フック首相は、拡大抑制の妨げになるため発症を隠す者には厳罰を要求するとし、「アフリカ豚コレラとの闘いは侵略者との闘いに似ている」と述べている。


ベトナムの豚の飼育数は3000万頭と世界で7位の多さであり、豚肉生産国としては世界第6位だ。公式の統計では養豚業で240万世帯が生計を立てているという。


豚肉はベトナム人の平均的な食事の70%を占めている。 産業貿易省は、豚肉の不足を防ぐための予防計画として冷凍豚肉の供給を検討しているという。 農業・農村開発省は人々に豚の飼育を継続しないように警告し、代わりに水牛、牛、家禽または魚介類のような他の動物群を飼育するよう警告した。


6月6日までに国際獣疫事務局(OIE)から収集された最新のデータによると、ベルギー、ハンガリー、ラトビア、モルドバ、ポーランド、ルーマニア、ロシア、ウクライナ、中国、香港、北朝鮮、ベトナム、南アフリカの13の国と地域で同病気が新たに発生しているという。

 

出典:VNExpress

 

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