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日系請負会社、ホーチミン地下鉄建設停止か
ホーチミン市初となる地下鉄が危機に直面している。日本の請負会社は請求額を支払わないホーチミン市に対して、建設作業の停止を警告しているという。
政府と省庁、ホーチミン人民委員会に提出された文書で梅田邦夫駐ベトナム社会主義共和国日本国特命全権大使は、ホーチミン市初の地下鉄の建設を行う日系請負会社への未払い金額は1億ドル(約113億円)に上ると述べている。
同氏は、もしホーチミン市が年末までに請求額を支払わなかった場合、請負会社である住友商事は地下鉄の建設を停止すると続けた。
地元メディアによると、梅田大使は、Ben ThanhーSuoi Tien間の地下鉄建設費用未払い問題について日越両国政府間で何度も話し合いを設けたにも関わらず、支払いが非常に遅れていると話したという。
2007年にホーチミン市によって承認されたBen ThanhーSuoi Tien間の地下鉄建設は国際協力機構(JICA)の政府開発援助(ODA)の支援のもと行われている。しかし、投資額の調整を行う修正案の承認が遅れたため、結果的にプロジェクトへの資金が不足することになったという。
地下鉄建設の初期費用は17兆4000億ドン(約870億円)と予測されており、この見積もり額は国会承認が必要なものに該当しなかった。
2009年、コンサルタント会社による再見積もりでは、必要な投資額が47兆3000億ドン(約2365億円)だとされた。
2011年、ベトナムのフック首相は、ホーチミン市が初期見積もり額を修正することを承認したが、修正後の見積もり額は国会の承認が必要な額となった。
現在、地下鉄建設計画は、国家予算が決まる前に国会の承認を得る必要がある重要国家プログラムとして見なされている。計画・投資省は今年の始め、承認が保留されている間は、資本調査や投資配分調査を行うことは無駄であると述べている。
政治的介入の提案
このような状況を受け、日本大使館は、ホーチミン市に対してベトナム共産党中央委員会と国会に対して文書を提出し、早期承認を要求するよう提案している。
ホーチミン市は市の予算を使って請負会社に対し前払いすると述べているが、梅田大使はホーチミン市は請負会社に対し、約束どおり支払うことができていないと話している。
先月、ホーチミン市都市鉄道管理局は、ホーチミン市はすでに完了している作業の支払いを行うためにホーチミン市の予算を使用する必要があると話している。
ホーチミン都市鉄道管理局のHoang Nhu Cuong氏は協議会で「地下鉄建設作業を継続させるためには、ホーチミン市は約1兆ドン(約50億円)を投資する必要がある。地下鉄請負会社は既に2兆ドン(約100億円)規模の作業を完了させているが、ホーチミン市は法律上の手続きの問題からたったの2200億ドン(約11億円)しか支払いを終えていない」と話している。
2012年8月にホーチミン市初の地下鉄工事が開始された。地下鉄は20キロメートル(12.43マイル)に及び、1区、2区、9区、Binh Thanh区、Thu Duc区、の5つの区とBinh Duong省に隣接するDi An区を通る。
地下鉄はベンタイン市場から2.6キロメートル離れたオペラハウスを通過し、その後Ba Son造船所を通過し、サイゴン川を横断する。その後、2区からスイティエン公園を通過し、9区のLong Binhが最終到達地点となる。
現在、プロジェクトの半分以上が完了している。ベトナムの民間土木建設会社Cienco 6と日本の住友商事が建設請負会社となっている。
都市の交通渋滞解消に役立つと予想されているこのプロジェクトは当初の予定では2017年開始される予定だった。その後、2020年と変更されているが、この期限も明確ではない。
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