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若者によりタピオカミルクティー店の開業が促進か
<ベトナムにはタピオカミルクティー店が2000店以上ある(写真:VnExpressより)>
広がり続ける人気ぶりを受け、タピオカミルクティに投資するベトナム人の若者起業家が増加している。
あるタピオカミルクティー店では、午後10時過ぎでも満席の状態が続いている。
タピオカミルクティー店を営むNguyen Quang Dungさんは、VnExpressの取材に対し「店を開店したのは数ヶ月前だが、毎日多くの人で賑わっている。特に週末は混雑するため、従業員6人でお客様の対応をしている」と語った。
工業地帯であるベトナム北部のBac Ninh省には若者労働者が1万人以上おり、Dungさんの店では1日に150〜200カップ販売しており、Dungさん自身もウェイターにならないといけないくらい混雑するという。
タピオカミルクティー店を経営する傍ら、近くの発電所でマネージャーとして働くDungさんは「忙しいが、店を開店したことは最善の判断だった。後悔はない」と話す。
利益性も高く、若者からの需要も高いため、近年、Dungさんのようにタピオカミルクティー事業に投資するベトナム人起業家は増加している。
ベトナム中小企業協会によると、2018年、ベトナムのタピオカミルクティー店の店舗数は2000店に到達したという。平均的に、4日に1店舗新たな店がオープンしたということだ。
タピオカミルクティーは2000年からベトナムに広まり、ここ数年で、タピオカミルクティの店舗数は急激に増加している。そのうち多くはフランチャイズ展開だ。
2013年、ベトナム発のタピオカミルクティーブランドであるTocoTocoが第1号店をオープンさせ、現在では200店舗まで拡大している。台湾のブランドであるDing Teaは約200店舗、ベトナムのブランドであるBobapopは100店舗以上を展開している。
ベトナムでは約30のタピオカミルクティーブランドがしのぎを削っている。市場調査を行うイギリス系企業のEuromonitor Internationalによると、タピオカミルクティー産業の市場規模は2億8200万ドル(約300億円)だという。
ホーチミンやハノイなどに展開するタピオカミルクティーチェーンPozaa TeaのオーナーのHoang Thi Hienさんは、店舗数を昨年増加させたと話す。
Hienさんは「多くの投資家が我々と手を組みたいという。2017年、Pozaa Teaはたった8店舗しかなかったが2018年には60店舗まで拡大した」と語った。
Hienさんは2019年内に200店舗まで拡大することを見据えているという。
Z世代(1996年〜2015年に生まれた世代)からの需要
市場調査会社のNielsenが行なった調査によると、タピオカミルクティー店に行くことは、1996年〜2015年に生まれたZ世代にとって最も人気な娯楽だという。
今回の調査は2018年10月、ハノイやホーチミンに住むZ世代210人を対象に行われ、回答者の81%がタピオカミルクティーを飲むことは好きな娯楽だと答えたという。
ブランド戦略コンサルタント兼マーケティングメンターのVo Van Quangさんは「15歳の女の子のほとんどはコーヒーを飲むことが好きではないが、タピオカミルクティーにはお金を払うことをいとわない。紅茶をベースとしたドリンクは10代の子たちが大きな顧客層であり、タピオカミルクティーの需要も含まれている」と話した。
需要が高く、利益率も高いタピオカミルクティーは起業家には魅力的だという。
ブランディングの専門家兼コンサルタント企業のRetail & Franchise Asiaの取締役会長のNguyen Phi Van氏は、2万5000ドン(約125円)〜6万ドン(約300円)で販売されているタピオカミルクティーの利益率は40%にもなると話した。
その利益率の高さから、フランチャイズ料や店内設備投資を含め、10億ドン(約500万円)程度の投資をするを厭わない若者起業家は多いという。
Van氏は「投資家はタピオカミルクティー店をオープンさせると1年も経たずに投資を回収することができるため、多くの起業家を魅了する」と続ける。
<タピオカミルクティー店に行くことは、1996年〜2015年に生まれたZ世代にとって最も人気な娯楽だという(写真:VnExpressより)>
タピオカミルクティー店を営むオーナーの多くはその他の仕事も抱えながら、さらなる利益を得ている。投資家は自分のブランドを立ち上げることもできるし、有名ブランドフランンチャイズで店をオープンすることも可能だ。
2018年9月、Tran Thi Thuy Ngaさんは8億ドン(約400万円)を投資し、ベトナム中部のQuang Ngai省でタピオカミルクティー店をオープンした。
Ngaさんの店はとても小さな町に位置しているが、学生が友人や家族とともに毎日訪れているという。Ngaさんは従業員8人を雇っているが、家族に店の手伝いを頼むこともあるそうだ。
「まだ投資の回収はできていないが、今までの売り上げや需要に満足している」とNgaさんは話す。
Ngaさんは他の店舗を開店させる計画もあるそうだ。
Bac Ninh省でタピオカミルクティー店を営むDungさんは月に1億8000万ドン(約90万円)を売り上げ、その半分が利益になるという。Dungさんによると、投資額の7億ドン(約350万円)は6ヶ月間で回収できる見込みだという。
1号店はたった4ヶ月しか営業していないが、Dungさんは最初の店から4km離れた場所に2号店をオープンさせる予定だという。
Dungさんは「どちらの店も成功する自信がある」と語った。
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