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ベトナムは英・露からコロナワクチン購入か 中国も提供申し出

2020年12月10日(木)10時57分 公開
ベトナムは英・露からコロナワクチン購入か 中国も提供申し出

新型コロナウイルスの収束のカギを握るとされているワクチンについて、ベトナムはイギリスやロシアなどに注文すると発表していた。

イギリスがワクチンを承認するなど、新型コロナウイルスのワクチン開発が目まぐるしく進む現在のベトナムをはじめ各国の状況をまとめる。

 

ベトナム国内のワクチン開発

ベトナム・ナノゲン社の開発するワクチン

<写真:ベトナム・ナノゲン社の開発するワクチン>

 

ベトナム国内では、4社が新型コロナウイルスのワクチン開発を行っているが、先進国に比べるとそのスピードは遅れをとっている。

ベトナム保健省は10日から12日にかけて、ナノゲン社(Nanogen)社が開発する国産ワクチンの臨床試験の第1期がボランティア20人を対象に開始されると発表していた。

その後、問題がなければ規模を拡大し、第2期、第3期の臨床試験が行われ、2021年末を目処に実用化を目指している。

 

ベトナムのワクチン調達先は英露米か

国産ワクチン開発の一方、ベトナム政府は外国で開発される新型コロナウイルスのワクチンも調達する方針。

保健省は9月21日にロシア、イギリス、アメリカの先進3か国の開発・製造する新型コロナウイルスのワクチンを予約注文したと発表していた。

さらに、10月15日には、外務省のレー・ティ・トゥ・ハン報道官が定期記者会見で、「保健省の情報によると、ロシアや英国などからワクチンの調達を検討している」と発言している。

 

そのため、ベトナム政府のワクチン調達先として可能性が高いのはロシア、イギリス、アメリカだとみられている。

しかし、具体的な注文先、注文量は明らかにされていない。

 

世界のコロナワクチン開発状況

世界的なワクチンの状況を見ると、12月2日、イギリス政府がアメリカの製薬大手ファイザー(Pfizer)とドイツの製薬大手ビオンテック(BioNTech)が共同開発しているワクチンを国として世界で初めて承認し、8日に接種が開始されていた。

それに続きバーレーンが同ワクチンを承認し、10日にはカナダもこれを承認した。

同ワクチンはアメリカでも緊急使用許可が申請されており、近く承認される見通し。

しかし、このワクチンについてはマイナス70度以下で保管する必要があるため、発展途上国への供給体制が大きな課題になるとみられている。

 

一方、英製薬大手アストロゼネカのワクチンは従来の技術に基づくもので、超低温で貯蔵する必要はないため、途上国などでの利用に有利とみられている。

日本政府の注文も発表されているアストロゼネカのワクチンについては、臨床試験の第3期が行われているが、当初発表された有効率90%を証明するにはまだ多くの作業が残されていることが先日発表され、実用化が遅れる可能性が出てきている。

 

そのほか、米バイオ製薬のモデルナもアメリカとヨーロッパで緊急使用許可を申請すると11月30日に発表している。

 

ロシアのコロナワクチン「スプートニクV」については、5日、ロシア国内70か所の医療機関で、医療関係者や教師など感染リスクの高い職業の人に対する大規模なワクチンの接種が開始された。

同国は、ベトナムのコロナワクチン調達先として名前が挙がっていた。

しかし、「スプートニクV」をめぐっては、最終段階の臨床試験が完了しておらず、その安全性について国際的に懸念が広がっている。

さらに、9日の報道によると、ロシア連邦消費者庁は「スプートニクV」の接種を受ける人は、接種する最低2週間前から接種後も42日間は飲酒を控えてほしいと訴え、ロシア国内で不満が広がっているという。

 

「ワクチン外交」で狙う影響力拡大狙う中国

ワクチン開発で忘れてはならないのが新型コロナウイルスが最初に発生した国とされる中国だ。

アメリカとの影響力争いが激化している中国は、影響力拡大とワクチンの供給を外交が冷え込んでいる国との関係改善の絶好の機会として捉えている。

東南アジアがその中心にいると言っても過言ではない。

 

8月には中国が東南アジア諸国の干ばつの一因になったとする非難を和らげるため、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアの当局者らとの会談を開催した。

そこで、各国に対して、李克強(リー・コーチアン)首相は、中国産のワクチン提供を申し出たとされている。

この提案は各国当局者らから好評を博したという。

 

長い間、中国に警戒感を示したインドネシアについても、ワクチン協力における中国との連携を強めており、6日には中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)社製の新型コロナウイルスワクチンの第1便がジャカルタに到着していた。

第1便で到着したのは120万回分で、1月にも180万回分を追加受領する見込み。

ワクチンの接種は1人2回必要であることから、それぞれ60万人分と90万人分。

 

12月4日には、中国産ワクチンについて、「年内に6億回分の新型コロナウイルスの不活化ワクチンが承認、出荷される」と中国のワクチン開発の専門家が見通しを発表した。

ベトナムの当局者も8月の階段で申し出を受けていることは明らかだが、実際に調達するかは不明。

 

新型コロナウイルスのワクチンの供給をめぐっては、アメリカなどをはじめとする資金力のある国が、製薬会社との直接取引でワクチンを買い占め、貧困国は接種の機会を失い、結果として新型コロナウイルスの収束が遅くなるとWHOなどが警告している。

ワクチンの世界全体への効率的かつ平等な配分を実現するため、WHOと欧州連合などの主導で「ACTアクセラレーター」と呼ばれる国際協調の枠組みが設立されている。

ベトナムは低中所得国に挙げられており、これによりベトナムはワクチン供給を受けることができるという。

 

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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