トランプ大統領、退任前にベトナム製品への制裁関税を提案か
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今月、アメリカ財務省がベトナムを「為替操作国」に認定したことについて、通貨や通商の専門家は、トランプ大統領が退任前にベトナムからの輸入製品に対して制裁関税を提案する可能性があるという見方を示している。
今年10月、アメリカは、ベトナムが為替操作により自国の輸出が有利になるよう通貨を意図的に安くし、対米貿易に悪影響を及ぼしている可能性から調査を行っていた。
調査の結果、今月16日にアメリカ財務省はベトナムを「為替操作国」に認定した。
ベトナムは、2019年〜2020年1月まで続いたアメリカ政府による対中追加関税賦課を逃れるため、一部企業が中国から対米輸出拠点を移しており、対米貿易黒字額は年580億ドルにものぼっていた。
この数字は日本の570億ドルを超えており、米通商代表部(USTR)なども警戒を強めていた。
また、米通商代表部(USTR)はベトナムとアメリカの貿易においてアメリカが不利になっている可能性があることから、大統領権限で外国の不公正な貿易慣行に一方的な制裁の発動を認めた「通商法301条」に基づく調査を開始している。
この調査は財務省による審査と並行して進められており、早ければ1月7日にも結果が公表される可能性があるという。
シンガポールに拠点を置く「エイシャン・トレード・センター」のデボラ・エルムス氏は、特に為替操作国の認定がある以上、アメリカ政府はベトナムに対して何らかの報復措置を実施する可能性が高いため、通商法301条の調査手続き結果に対して今から備えておくのが賢明だと述べている。
21日、ベトナム商務省は関税が発動された場合、ベトナム企業はアメリカのパートナーと事業を行う上で信頼感を失うとけん制した。
一方、両国当局者は12月終盤に「非常に大事な」協議を行うことを明らかにしている。
アメリカ財務省は為替操作国に認定した国に対して二国間協議を求め、解決しない場合は輸入品に対する関税の引き上げなどの経済措置を加えることを検討するとしている。
制裁として関税が引き上げられた場合、アメリカを最大の輸出国とするベトナムにとっては大きな損失となる。
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