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アメリカ、ベトナムを為替操作国に認定 制裁措置が現実的に
<写真:Unsplash>
今年10月にアメリカがベトナムを為替操作により対米貿易に悪影響を及ぼしている可能性から調査を行うと発表したことについて、16日、アメリカ財務省はベトナムを「為替操作国」に認定した。
ベトナムが自国の輸出に有利になるよう通貨を意図的に安くしているとアメリカが認定したこととなる。
これにより、アメリカはベトナムから輸入する物品に関税をかける制裁措置を講じる可能性が高まっている。
ベトナムをめぐっては、アメリカへ安価な製品の輸入が増加し、貿易赤字が拡大しているとアメリカが繰り返し批判していた。
為替操作国とは、自国の輸出が有利になるように通貨が意図的に安くなるよう誘導している国のことで、アメリカが同国の貿易相手国に対して為替政策を分析し、問題のある国を為替操作国に認定している。
アメリカ財務省は、操作国に指定する条件として、①アメリカに対する貿易黒字が200億ドル(約2兆円)以上の国であるかどうか、②一方的な為替介入による外貨購入を1年間で6か月以上繰り返し行い、その金額は国内総生産(GDP)の2%以上かどうか、③経常黒字がGDP比で2%以上の国に当たるかどうかの3つの条件で判断している。
この調査において、ベトナムは3項目全ての数値を上回ったという。
また、ベトナムの対米貿易黒字額は年580億ドルにものぼっており、日本の対米貿易黒字額(570億ドル)を超えていることから、アメリカ通商代表部(USTR)なども警戒を強めていた。
この貿易黒字の背景には、2019年〜2020年1月まで続いたアメリカ政府による対中追加関税賦課を逃れるために一部企業が中国から対米輸出拠点を移していることが挙げられる。
アメリカ財務省は為替操作国に認定した国に対して二国間協議を求め、解決しない場合は輸入品に対する関税の引き上げなどの経済措置を加えることを検討する。
制裁として関税が引き上げられた場合、アメリカを最大の輸出国とするベトナムにとっては大きな損失となる。
今回の調査でベトナムの他にスイスも為替操作国に認定されており、2か国にとってはこれが初めて。
また、アメリカは、貿易黒字が大きい日本や中国については、引き続き為替操作を行なっていないかチェックする「監視リスト」に載せるとした。
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