ベトナムの入国後の隔離を7日間に短縮は実行可能:専門家が発言

2021年06月11日(金)10時20分 公開
ベトナムの入国後の隔離を7日間に短縮は実行可能:専門家が発言

<写真:ホーチミンの集中隔離施設 / ©︎VN EXPRESS>

 

ベトナムがワクチンを接種した入国者に対して集中隔離期間を7日間に短縮することを計画していることについて、アメリカ・デューク大学医学部の非常勤助教授であるハリー・セベランス氏が実現可能な計画だと発言した。

 

ハリー氏は「隔離期間を7日間に短縮することに賛成する」とVNエクスプレスに対して話した。

ハリー氏によると、ワクチンを接種した人についての研究は世界的に進んでおり、ワクチンを接種した人が新型コロナウイルスに感染・再感染する可能性は極めて低く、濃厚接触を除いた普通の環境で他の人に感染させる可能性も極めて低いことが分かっているという。

 

ワクチン接種後に新型コロナウイルスに感染した人は極めて少なく、症状もかなり軽いものだという。

さらに重要なことは、それらの人は、濃厚接触を除き、他の人へ感染させる可能性が低いことが明らかになっていることだという。

 

このことから、ワクチン接種済みの人の安全性は高く、ワクチンを接種して検査結果が陰性である人に対する隔離期間を短縮することは実現可能な計画だとハリー氏は話した。

これらの研究結果は世界保健機関(WHO)や欧州連合(EU)などが認めているものであることから、その信憑性は高いという。

 

さらに、ハリー氏は隔離期間を7日間に短縮した後も感染拡大防止に成功した場合、ベトナム政府はワクチンを接種して検査結果が陰性である人の隔離免除を検討することもできるとしている。

しかし、その場合、隔離免除対象者が渡航中の行動歴や接触歴の追跡に同意する必要があるとの見方を示した。

 

欧米諸国ではワクチン接種済みの旅行者に対して隔離を免除する動きが広まっているが、ハリー氏は新型コロナウイルスの対策は、それぞれの国にとって「十分な安心感」を得られるレベルにすることが重要だと話した。

 

 

●隔離短縮に条件を求める声も

ハリー氏が隔離期間を7日間に短縮する一方、アメリカ・ルイジアナ州立大学公衆衛生学部のエドワード・トラピド教授は、隔離期間を短縮するためには、いくつかの条件が必要だと主張した。

 

ワクチン接種済みの人が必要回数のワクチンを接種したことや、最後のワクチン接種がベトナム入国の最低2週間前であることなどが条件として必要だという。

ワクチン接種から免疫を獲得できるまで10日〜2週間必要だとエドワード氏は話した。

 

さらに、エドワード氏は入国から5日後に検査を実施し、そこで陰性が確認されれば入国から7日後に隔離を完了できるとし、検査を行わない場合、入国から10日間の隔離が必要だと主張した。

 

ベトナムで確認された感染力が強い変異株については、イギリス型とインド型の要素が組み合わさってできた変異株であることから、ワクチンの有効性は高いとの見方を示した。

このことから、ワクチン接種済みの人が新型コロナウイルスに感染する可能性は低く、もし感染が起きた場合、ベトナムで確認された変異株に対するワクチンの効果が低いことを意味するとした。

 

 

オーストラリア・グリフィス大学の伝染病学者であるディッキー・ブディマン氏は、免疫の持続期間がわからないため、ベトナムに入国する人は、ベトナム入国日から3ヶ月以内に2回目のワクチン接種をしなければならないと主張する。

この場合、6月に2回目のワクチン接種をした人は9月までにベトナムに入国すれば7日間の隔離となり、10月に入国した場合は14日間の隔離となる。

 

一方で、オーストラリアのピーター・ドハーティー感染免疫研究所のシャロン・レウィン氏は隔離期間を7日間に短縮することに賛成しているという。

隔離2週目に感染が確認される確率は1週目確認される確率より低く、ワクチンを接種すればさらに確率が下がるため、理にかなった戦略だとシャロン氏は主張する。

 

ベトナムでは、5月にヴー・ドゥック・ダム副首相が「安全」とみなされた入国者に対する隔離期間を7日間に短縮することを検討していると明かしていた。 

   その後、6月2日に新型コロナウイルス国家対策指導 委員会が、保健省に対して、海外からの入国者に対する隔離・検査に関する新たなガイダンスを早急に策定するように要求 していた 

これが決まれば、新型コロナウイルスの陰性証明書があり、かつ抗体を保持している人の隔離期間が7日間に短縮される見通しだ。 

 

 



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