おすすめのプロモーション
新型コロナは来年にはインフルと同じに、ベトナムの専門家が予測
<写真:ベトナムでのワクチン接種の様子 / ©️Flickr>
ベトナム国内の複数の専門家が国内における新型コロナウイルスについて、2022年頃には季節性インフルエンザのようなものになるとの予測を示した。
一方で、必要回数のワクチン接種を完了した人が新型コロナウイルスに感染し、重症化している例を挙げ、変異株が多くあるため今後の見通しを示すのは難しいとした。
ベトナム保健省予防医学局の前局長であるNguyen Huy Nga氏はインフルエンザは寒い季節に流行する傾向にあるが、新型コロナウイルスはアフリカ諸国など気温の高い国や地域でも流行しており、ベトナム国内でも気温の高い南部地域で流行しているとその違いを指摘した。
ベトナムにおける新型コロナウイルスの収束についてNga氏は、現在の国内におけるワクチン接種率を見ると、2022年または2023年に感染拡大は収束すると予測したが、完全にウイルスが無くなることはないと話す。
収束後も新型コロナウイルスは存在し続け、季節性のインフルエンザのようになる可能性が高いと続けた。
ホーチミン医科薬科大学公衆衛生学部の学部長であるDo Van Dung氏も、国内における収束時期について、ワクチン接種率が高まっていることから、2022年第2四半期までに収束するとの見方を示した。
同氏は新型コロナウイルスのワクチンの有効性はインフルエンザのワクチンより高いことを説明した上で、「人口の90%が必要回数のワクチン接種を完了すれば、新型コロナウイルスの感染状況はインフルエンザの流行より安定するだろう。」と話した。
また、Dung氏はインフルエンザについては国民の危機感があまりなく、ワクチン接種をしていない人が多いが、新型コロナウイルスについては危機感が高く、大多数の人がワクチン接種をしていると話した。
さらに、「インフルエンザは毎年のように流行しており、複数回の感染歴のある人が多く、抗体があるため重症化しにくい。長期的に見れば新型コロナウイルスもワクチン接種が進めば死亡率が下がり、インフルエンザのようなものになる可能性がある。」とDung氏は話した。
小児科病院1のTruong Huu Khanh氏もワクチン接種率が90%を超えれば、新型コロナウイルスも普通の病気のようになるだろうと話した。
感染が完全に終息することはなく、感染者の一部が重症化することは避けられないが、医療機関は重症者の治療に専念するだけだとした。
新型コロナウイルスの今後の見通しをめぐっては、以前、保健省のNguyen Thanh Long大臣が変異株が存在することを理由に今後の見通しを立てるのはベトナムだけでなく全ての国にとって困難なことだと主張していた。
専門家らは今後、寒い季節が到来し、テト(旧正月)の大型連休もあるため、大規模な集会の増加や国民の危機意識の低下が予測され、大規模な感染拡大が発生すると懸念を示している。
予防医学局前局長のNga氏は、気温の低下はウイルスが増加・拡散しやすくなる上、感染したとしても新型コロナウイルスの症状を普通の風邪やインフルエンザと間違えてしまう可能性があると警戒を呼びかけた。
専門家らは今後、最も重要なことは大型連休となるテトに感染拡大をさせないことだとした。
ホーチミン医科薬科大学公衆衛生学部のDo Van Dung氏は、厳しい感染防止措置について、制御できなくなるほどの感染拡大を防ぐことができるが、社会活動が止まってしまう側面もあると指摘する。
「規制を緩和すれば感染者数が増加するが、規制を強化すれば社会に深い影響を与える。そのため、私はワクチン接種とそのほか基礎的な感染防止対策を支持する。事務所や学校の閉鎖など社会活動を阻害する規制に頼るべきではない」とDung氏は話す。
Nga氏は、新型コロナウイルスの感染者の集中隔離について、感染患者と医療体制の両方への負担が大きすぎるため辞めるべきだと主張した。
無症状と中等症の感染患者と濃厚接触者については自宅隔離をするので十分だと主張する。
「感染患者全員を病院に搬送してしまっては、医療崩壊に繋がり、院内感染のリスクが高まる。さらに、脳卒中やデング熱など他の病気の患者を治療するリソースが確保できなくなる」と話した。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。