チン首相訪日、岸田首相と国際秩序の維持・強化へ連携で一致

2021年11月25日(木)16時30分 公開
チン首相訪日、岸田首相と国際秩序の維持・強化へ連携で一致

<写真:チン首相と岸田首相の会談の様子 / ©️primeminister.chinhphu.vn>

日本を訪問しているベトナムのファム・ミン・チン首相が岸田首相と会談し、東シナ海や南シナ海への進出を強める中国を念頭に、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けて連携することで一致した。

岸田首相が就任後、国内で外国の首脳と会談するのは今回が初めて。

 

会談冒頭、チン首相は岸田首相に対して、新首相に選出されたことを祝福し、ベトナムと日本の関係が強化されていることに感謝の意を表したという。

その上で、チン首相は2021年1月25日から2月1日にかけて開かれたベトナム共産党第13回全国代表者大会で採択されたベトナムの外交政策において、日本を信頼できる重要かつ長期的な戦略的パートナーであるとの認識を示した。

また、チン首相は今後、両国が経済的な結びつき、人材育成、科学技術、サプライチェーン、裾野産業、デジタル変革、グリーン成長(経済成長と環境保護を両立し自然の資源や環境を維持しつつ、経済成長・開発を促進し、その実現を目指す取り組みのこと)、イノベーション、スマート都市開発、ハイテク農業、インフラ開発、気候変動への適応など幅広い分野で協力を強化することを提案した。

 

岸田首相はチン首相の来日に対して歓迎の意を表し、昨今のベトナムと日本の関係は大きく強化されており、これまでにない強固なものになっているとした。

 

会談で両首脳は覇権主義的な動きを強める中国を念頭に南シナ海の現状を変更する一方的な試みに対し、深刻な懸念を共有した。

また、南シナ海や東シナ海における航行や飛行の自由の重要性を改めて確認し、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けて連携することで一致した。

 

日本やベトナムなど11か国が参加するTPP(環太平洋パートナーシップ協定)については、中国の加入の申請を踏まえ高い水準のルールを維持していくことを確認し、日本企業のサプライチェーンの多元化などで協力する方針でも一致したという。

 

また外国人技能実習制度をめぐっては、ベトナム人実習生の失踪や不法残留、悪質なブローカーの介在などの問題が起きていることを確認し、緊密に意思疎通を図り制度を適正に運用するシステム構築に向けて協力することで一致した。

さらに、ベトナムからの技能実習生の日本での生活改善に向けて協力することも申し合わせた。

 

このほか、日本からの艦艇など装備品の輸出に向けて協議を加速化させることや、サイバーセキュリティーなどの分野で防衛協力を進めることでも一致した。

 

新型コロナウイルスの感染拡大については、岸田総理大臣は新たにベトナムに対して新型コロナウイルスワクチン154万回分を供与したいとして、25日にチン首相が帰国する航空機でワクチンを輸送する意向を伝えたという。

 

会談後の記者会見では岸田首相が「ベトナムは『自由で開かれたインド太平洋』を実現していく上で大切なパートナーだ」と強調したことに対して、チン氏は「両国関係を新たな地平へ高めていきたい」と応じた。

 

 

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