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ベトナム地元紙が分析する菅首相の来越の成果

2020年10月21日(水)17時33分 公開
ベトナム地元紙が分析する菅首相の来越の成果

<写真:Zing>

18日、菅首相が総理大臣就任後、初となる外遊でベトナムを訪問した。

今回のベトナム訪問に関して、日本の外務省関係者は「菅首相の外交政策のテーマの核となるのはASEAN諸国との協力だ」との見方を示したという。

またベトナムの地元メディアは今回の菅首相来越に関して、その成果を①ベトナムの国際的な役割、②ベトナムの経済的地位の強化、③人的資源と技術の協力の3つに分けて報じている。

①ベトナムの国際的な役割

オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のCarl Thayer教授は、菅首相の訪越はベトナムの国際的な役割を明確に示したと話した。

菅首相は19日の朝、フック首相との首脳会談後の記者会見で、「防衛設備・技術の移転について基本的に合意に達した。これは安全保障協力において大きなステップである。」と述べた。

また、日本の外務省の吉田報道官は19日にハノイで開催された記者会見で、防衛装備品の移転協定の合意は防衛設備や技術の移転のフレームワークとなると話した。

同報道官は、防衛品の移転には平和への協力、地域の安定を確保しなければならないとし、平和目的のためで違法に第三者に移転してはならないとした。

②ベトナムの経済的地位の強化

経済協力に関して、菅首相は、日本企業が東南アジア全体でサプライチェーンを多様化することを支援し、ASEAN地域の国々とより緊密な経済協力を促進することを約束した。

予備データによると、「海外サプライチェーン多元化等支援事業」に登録した日系企業30社のうち、15社がベトナムへの移管を決めていた。

 

今回の訪越で、日本の法務省とベトナム司法省の協力強化や、民間企業ではイオンモールベトナムとホーチミン市が都市開発に関する覚書、ベトナム住友商事と北部フンイエン省が工業団地に関する覚書など、官民合わせて12件の覚書などが交わされた。

新型コロナウイルス対策の協力については、菅首相はサプライチェーンの多元化を図る日本企業の取組の後押しに力を入れているとしたという。

 

また、日本政府による40億円規模の医療物資・機材支援及び技術協力などで両国はパンデミックから回復への道を共に歩むことを確認した。

Thayer教授は、今回の訪問は、ビジネストラックの運用開始や双方向の定期旅客便の再開、防衛設備や技術の移転、投資などを含め、前向きな結果だったと分析している。

③人的資源と技術の協力

九州大学の相澤伸広准教授は、菅首相がハノイにある日越大学でスピーチをした背景には、日越関係の主要な柱の中に人材育成があるというメッセージが込められていると分析した。

日越大学でのスピーチの中で、菅首相は自らの経歴を話し、教育を通じて夢を実現したということを伝え、全体の3分の1は人的資源の交換と教育に関する内容だったという。

 

さらに、デジタル技術やデータは国境を越えて経済をつなぎ、あらゆる社会活動に影響を与える存在だとして、「信頼性のある自由なデータ流通」に基づくルール作りを推進すると話した。

日本の専門家は、このデータ流通の実現は近い将来、二国間関係に影響を与えるだろうと述べている。

 

 

 



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