カシューナッツ輸出で大規模詐欺の疑い、数億ドル損失の可能性

2022年03月10日(木)12時28分 公開
カシューナッツ輸出で大規模詐欺の疑い、数億ドル損失の可能性

〈写真:VnExpress〉

 

イタリアのカシューナッツ輸入取引で、大規模な詐欺の疑いがあり、多くのベトナム企業が数億ドルの損失を被るリスクに直面している。

 

8日、ベトナムカシューナッツ協会(Vinacas)は、在イタリアベトナム大使館と在イタリアベトナム貿易事務所に速達文書を送り、ベトナムの仲介業者によって実施された輸入取引への支援を要請した。

 

疑いのある取引のカシューナッツは、Cosco、Yangming、HMM、Oneなどの輸送業者によって最大100個近くのコンテナで出荷され、イタリアの港に到着している。

 

この取引では、ベトナムのカシューナッツ企業はベトナムの銀行のサービスを利用して取引を行い、買い手はトルコとイタリアの銀行を通じて支払い手続きを行った。

 

ところが、双方の合意に基づいてベトナム企業から買い手のトルコの銀行に代金回収のための書類を送った後、買い手のSWIFTコード(銀行間で国際送金を行う際に使用する特定の銀行の固有識別番号)が変更されたとを知らされた。

 

トルコの銀行は書類を受け取った後、突然、買い手が顧客でないことを理由に書類の返却を通告した。しかし、トルコの銀行は、ベトナムの銀行が何度も連絡を取ったにもかかわらず、どのような形で書類を返却するのか明言していない。

 

一方、イタリアの銀行を通じて支払いを処理した他の企業は、受け取った書類が原本ではなく、コピーであることを知らされた。


現在、ベトナム企業では、書類の原本があれば誰でも貨物を引き取ることができるため、この事件は大規模な詐欺である可能性があると判断している。


そのため、同協会は、在イタリア・ベトナム大使館および在イタリア・ベトナム貿易事務所が、欧州各国の所轄官庁および関連船会社と協力して、すべての貨物を到着時に港で一時的に保管し、書類の原本を提示しても受取人に貨物を引き渡さないよう、貨物の引き渡しは、売り手の承認を得た場合にのみ可能にするように提案した。


同協会は、当局と影響を受ける企業との間で連絡を取りながら、多くの銀行や船会社と協力して本件を解明していくとしている。

 

同協会によると、2021年のベトナムのカシューナッツ輸出収益は約36億6000万ドル(約4248億円)に達し、2020年に比べて14%増加し、同国農業の輸出収益全体の約7.52%を占めた。


商工省によると、昨年のベトナムのEU市場へのカシューナッツ輸出は13万5千トン、8億1600万ドル(約947億円)相当となり、前年比で数量で16.5%、金額で7.9%増加した。

 

 

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