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違法漁業と気候変動、ニャチャンのサンゴが大量に死滅

2022年06月13日(月)12時35分 公開
違法漁業と気候変動、ニャチャンのサンゴが大量に死滅

〈写真:VnExpress〉

 

ニャチャン湾の沖合で、数百平方メートルのサンゴが大量に死滅しており、その原因の1つとして、違法漁業が考えられている。

 

ハノイ市からの旅行者であるSさんは、先月末にニャチャン湾の保護区域であるムン島を訪れた。

 

Sさんは、パンデミックにより長期間観光を中止していた島の生態系が改善されていることを期待したが、実際に海中へ潜ってみると、魚やサンゴはほとんど残っておらず、何もない海底が広がっていた。

 

Sさんによると、現在の同島の生態系はパンデミック前の10%程度に過ぎないという。

 

ムン島は海岸から約10キロメートル、160平方キロメートルに及ぶニャチャン湾の保護区域内に位置しており、多様な生態系と人気のダイビングスポットには多くの観光客が訪れる。

 

ニャチャンで20年の経験を持つベテランダイバーのマイ・ホアン・キエン・カー氏によると、同島のサンゴは死滅しつつある。海底にはほとんど生物が残っておらず、他の地域はゴミや漁具で埋め尽くされている。

 

島の北東部はかつて美しいサンゴを誇っていたが、今では数百平方メートルが枯れている。

 

ニャチャンにあるロシア科学アカデミー海洋学研究所とベトナム・ロシア熱帯センターが行なった2021年3月の調査によると、ニャチャン湾のサンゴの90%は1980年以降に消滅している。

 

ニャチャン海洋研究所のホアン・スアン・ベン副所長によると、この地域のサンゴの消滅は、汚染、サンゴの白化、自然災害など、多くの原因があるといい、ニャチャン湾の管理委員会のフイン・ビン・タイ代表は、自然災害がサンゴの死滅の主な原因であると指摘する。

 

2021年12月に発生した台風は、ニャチャンのサンゴの80%以上を損傷させたとされている。

 

しかし、自然災害だけではニャチャンで起きていることを説明することはできない。同様の台風被害を受けているヴァンフォン湾のような地域には、サンゴが無傷のまま残っている。

 

ニャチャンの複数のガイドは、ムン島のサンゴの死滅を違法な漁業のせいだと考えている。漁船は島の周囲の広い海域で底引き網漁を違法に行い、その過程で珊瑚を傷つけている。

 

ニャチャン湾の管理委員会によると、2021年〜2022年前半に、パトロールで約49件の違法漁業が検出されている。しかし、人員不足のため、全域を監視して違法漁業に対抗することは難しく、何度か国境警備隊の関与を促している。

 

カインホア省人民委員会のグエン・タン・トゥアン委員長によると、同省はニャチャン当局に対し、パトロールを強化し、この地域の汚染防止に協力するよう観光客に要請している。また、ニャチャン湾管理委員会や海洋学研究所と協力しサンゴを再生するよう要請している。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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