ユネスコ、ベトナム南部への高速道路建設に反対

2022年06月22日(水)13時44分 公開
ユネスコ、ベトナム南部への高速道路建設に反対

〈写真:VnExpress〉

 

ドンナイ省人民委員会に送られた文書の中で、ユネスコのベトナム事務所は、ドンナイ省〜ビンフォック省を結ぶマーダー(Ma Da)橋とドンナイ生物圏保護区の中心地域を通る国道の建設を中止するように勧告した。

 

同事務所によると、高速道路の建設は生態系の断片化により連続性が失われ、ドンナイ生物圏保護区の中心地域に深刻な影響を及ぼす。

 

生物多様性のコリドー(回廊)のつながりが絶たれることで、希少動物の生息地に影響を与え、通行する車との事故による野生動物の死亡が危惧されている。また、道路建設そのものによる土地、水、大気の汚染や、人間活動の増加による影響も生じる。

 

これらの影響は、環境の悪化、生息地と生物多様性の損失を招き、生物圏保護区の中心地域の基準と機能を満たしていない。

 

ユネスコは文書の中で、マーダー橋と高速道路の建設は、国内法に記載されているベトナムの森林保護と生物多様性保全の目的に合致していないと指摘する。

 

ビンフォック省は、地域の連結性を高めるために、マーダー橋の建設と既存の省道を国道へとアップグレードすることを提案していた。

 

これに対し、ドンナイ省は、これらの建設が生物圏保護区を侵食し、悪影響を及ぼすことを懸念し、計画の調整を求めている。

 

ドンナイ文化・自然保護区は、チュオンソン生態系の一部であり、ドンナイ生物圏保護区の中核となる地域で、10万ヘクタールの広さがある。2011年、ユネスコの世界生物圏保護区に指定された。

 

ドンナイ省は、ベトナム南東部で最大の森林面積(16万9000ヘクタール)を有している。

地元報道紙の調査に回答した約8000人の読者のうち、83%が高速道路に反対しており、賛成はわずか11%であった。

 

 

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