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上半期はインフレ率と株価暴落が課題、下半期は成長維持に困難も

2022年07月27日(水)13時11分 公開
上半期はインフレ率と株価暴落が課題、下半期は成長維持に困難も

〈写真:VnExpress〉

 

ベトナムではインフレ率の上昇と株式市場の暴落が発生しており、パンデミック後の経済再生に努めるベトナム政府の頭痛の種となっている。

 

消費者物価の高騰が食卓から政府の会議まであらゆる場所で共通の話題となっており、ベトナム国民はインフレ率の公式値と実際の値とのギャップに不満を抱いている。

 

卵、野菜、宅配便、建設資材などが2桁の値上がりを見せているが、統計総局の発表では今年上半期の消費者物価指数はわずか2.4%の上昇にとどまっている。

 

今年に入ってからガソリン価格は27%も高騰し、政府は75%のガソリン環境税の減税を実施し、1リットルあたり1000ドン(約5.86円)とした。

 

銀行の信用コントロールもベトナム政府にとって大きな課題となっており、ベトナム国家銀行(SBV)は今年の信用供与の伸びを14%に抑えているが、銀行各行はその引き上げを要求している。また、中央銀行はインフレ抑制のために信用供与の増加を抑えることを要求している。

 

株式市場の暴落も上半期の懸念材料となった。今年に入って株式市場操作や債券発行に関連した逮捕者が複数出ており、投資家心理の冷え込みを誘発する結果となった。ベンチマークであるVN-Indexは今年に入ってから20%下落し、取引は昨年の水準を大きく下回る結果となった。

 

ビジネスコンサルタント会社Economica VietnamのCEOであるLe Duy Binh氏は、「市場が十分に規制されていれば、法律を遵守する企業は経済成長により貢献することができる」と述べ、株式関連の事件は投資家の懸念を引き起こしたが、政府が法支配の確保に注意を払っていることを示しており、長期的には市場に利益をもたらすとしている。

 

ファム・ミン・チン首相は6月の経済フォーラムで、違反に対処したことによる市場の変動は正常であり、適時介入すれば市場はより透明で安定したものになると述べていた。

 

一方でベトナム政府は、下半期に成長を維持することの難しさにも直面している。

 

HSBCベトナムの市場・証券サービス部門のカントリーヘッドであるNgo Dang Khoa氏は、世界的なエネルギー価格の上昇が依然としてベトナムの最大の成長リスクであると指摘する。

 

もうひとつの課題として、中国におけるサプライチェーンの混乱によってベトナム企業は材料調達の面で困難な状況に陥っており、輸出に影響を与える可能性が高い。

 

証券会社VNDirectのアナリストによると、各企業は配送コストなど経費の上昇を受けて更に値上げを行う可能性が高く、今後数ヶ月はインフレ率の上昇が予測されるが、物価上昇率は政府目標である4%以下にとどまる可能性が高い。

 

Economica VietnamのBinh氏は安定した成長は高いレートよりも重要であるとして、ベトナム政府が7月初めに言及した7%のGDP成長目標は昨年の低いベースを考慮すると適切であると述べている。

 

 

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