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続く受注減と暗い雇用情勢、年末の人員削減が深刻化
<写真:VnExpress>
ベトナム労働総同盟によると、9月〜11月にかけて主に南部を中心とした地方の63万1300人以上の労働者が受注減による影響を受けており、57万人近くが労働時間を減らされ、3万4500人が職を失い、3万1000人が一時帰休した。
タインホア省在住のフオンさん(25)は1ヶ月前に会社の受注不足を受け、3年間働いた衣料品工場から解雇となった。
新しい仕事を見つけるために会社や工業団地を駆け回り、2週間後に自宅から15キロ離れた工場に再就職したが、わずか1週間後に再就職先の工場でも受注がなくなって再び職を失ってしまった。
同居する両親からは「仕事は見つかったか」といつも聞かれるようになり、そのプレッシャーと1ヶ月で2回目の解雇を受けた不安と動揺で頭を抱えてしまっている。
ホーチミン市12区の縫製工場で働いていたタルさん(32)もフオンさんと同様の状況に陥り、失望に打ちひしがれている。
タルさんが働いていた縫製工場はパンデミック時の厳しい状況でも持ちこたえていたが、暮らしが正常化した途端に受注不足で閉鎖してしまった。
1カ月近く求職活動をしているが求人募集を見つけられず、節約のために食事は野菜や米からインスタントラーメンやトウモロコシに切り替えた。
バイクの燃料費も切り詰めており、この1週間は徒歩で職探しをしているという。
タルさんとフオンさんは主要輸出市場からの受注減を受け、ここ数カ月で職を失った何十万人もの労働者の極一部に過ぎない。
多くの産業で生産と輸出が減少しており、食品や家電製品などの必需品を作る産業だけが安定した注文を受け、労働者を確保できている状態となっている。家具や衣類、皮革、履物などの産業は需要の減少に直面し、電子産業は原材料の不足が深刻である。
ベトナム皮革・履物・ハンドバッグ協会のデータによると、企業の受注は第4四半期に30%減少しそうで、輸出は9月初めから減少している。
ホーチミン市雇用サービスセンターによると、10月には1万440人以上が失業手当を申請しており、過去10ヶ月間の支援対象失業者数は前年同期比26%増の12万8000人だったという。
社会生活研究所のグエン・ドゥック・ロック所長は、「工場労働者にとって失職は最もストレスの掛かることである。彼らは高い技術を要する仕事に転職する資格がなく、仕事が長時間労働であるという性質上、通常多くの友人を持つことができない」と指摘する。
ベトナムでは長きにわたって企業は専門化という考え方を中心に成長モデルを構築し、労働者は生産ラインの中で1つの仕事だけを行えばよかった。
ソーシャル・ライフ社の調査によると、53.4%の労働者が現職の応募に資格は必要ないと答えており、高卒以上の労働者はわずか10.4%、中等教育・大学・高等教育を受けている人は5.2%、職業技能や証明書を持つ人は8.6%である。
採用後のトレーニング数回で一人前になれるが、製品づくりの極一部しか知らないため、一度職を失えば再就職は困難なものとなる。また、社会的なつながりも殆どなく、収入を得るために働くことしか考えていないという。
ロック所長によると、今回の大量解雇後に企業はより少ない人数でより効率的に仕事をこなすために、より熟練し、教育を受け、資格のある労働者や健康な若者を採用するようになるという。
正社員の給与や社会保険を支払わなくて済むように、第三者機関を通じて季節労働者の確保を進める可能性も高い。
ホーチミン市は解雇された労働者の再就職のために様々な施策を試行錯誤しているという。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。