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米国在住のベトナム人留学生、詐欺師の標的に
<写真:VnExpress>
外国で一人暮らしをしているベトナム人留学生の多くが、買い物や住居探し、アルバイトをする際に詐欺師のターゲットにされている。
ニューヨークの大学に通うリンさんは、学生生活の1年目を学校規定に従って寮で過ごした後、退去して住居探しを始めた。米国で住居を借りるには信用調査や社会保障番号(SSN)が必要となることが通例であるが、すべての学生が持っている訳ではない。
リンさんは「SSN不要」と書かれたキッチン・バス共同で1200ドルの個室(約16万2080円)の賃貸広告を見て直ぐに電話を掛けた。リンさんは保証金1000ドル(約13万5060円)を要求する広告に違和感を覚えたが、他に選択肢のない彼女は費用を送金した。しかし、支払い直後に広告主は音信不通になってしまった。
Open Doors社が11月に発表した国際教育交流に関する報告書によると、2021-22年度の米国におけるベトナム人留学生は2万713人で、全留学生の約2%にあたる。
シカゴで留学コンサルタントとして働くミン・グエン氏は、新規ベトナム人留学生は若くてアメリカでの生活について経験が浅いため、詐欺師の格好のターゲットになることが多いと指摘する。多くのベトナム人留学生は騙されやすく、聞いたことを何でも信じてしまうといい、中には詐欺師の手口に何度も引っかかる人さえいるという。
米国にいるベトナム人留学生を狙う詐欺には調達、勧誘、政府関係者になりすますという3つの主なタイプがある。
米国留学歴8年でミシガン州に住む建築家のアンさんによると、米国入りしたばかりのベトナム人留学生は必需品の売買や宿泊先を探す機会が多く、これに乗じた調達詐欺が非常に多いという。
大半の詐欺広告は「繁華街にある景色の美しい、安価で築年数の浅い賃貸の広告」といった様な普通に考えれば条件が良過ぎて怪しいものが多いが、米国での生活経験の浅い留学生は騙されて、先に保証金を払ってしまう様なことが多い。
フロリダ在住の学生であるホアさんはフェイスブックに売り物を出品したことをきっかけに、詐欺師に金銭を騙し取られてしまった経験を持つ。
詐欺師はデジタル決済ネットワークZelleを使って180ドル(約2万4310円)の支払いを行ったという写真をホアさんに送信した。ホアさんがお金を受け取っていないことを伝えると、詐欺師は追加で180ドルを振り込んだとする別の写真を送ってきた。
その後、ホアさんは銀行を装った相手から「180ドルが重複して振り込まれているため、返金する必要がある」といった内容の電子メールを受け取り、騙されたホアさんは180ドルを送金してしまった。
建築家のアンさんは留学生がオンラインで物を売買する際には「良すぎる」広告に惑わされないことや売り手と商品の情報を確証が持てるまで確認すること、SSNを教えないこと、住所を教えたり自宅で知らない取引相手と会わないようにすること等に気をつける様に警告する。
調達詐欺以外には採用詐欺も横行しており、詐欺師は留学生に対して高給やビザのスポンサーシップを約束した魅力的な招待状を送り、個人情報の提供や職業訓練のための費用支払いを要求するという。
留学生は偽の企業に騙されないために、評判の良い求人サイトからインターンシップや求人に応募し、Googleで企業情報を調べたり、就職支援コミュニティで話を聞いたりすることが大切である。
また、詐欺師が米国政府関係者になりすました詐欺も多く、ノースカロライナ州でIoTエンジニアとして働くチャンさんによると、詐欺師は警察や裁判所、税務部門、銀行職員などのふりをして留学生に規則や規制を破るように誘導する。
ベトナム人留学生は口車に乗せられて不法にアルバイトをしたり、必要な書類を持っていないとしてパニックに陥る。その後、詐欺師は留学生に「この話を他人にすれば重い罰金を払わされ、国外退去になる可能性がある」として脅し、金銭や個人情報を騙し取るという。
こうした被害に遭わないために最も大切なことは冷静さを保つことであり、詐欺にあった場合には政府のウェブサイトを確認し、役人と直接連絡を取ったりするべきである。
また、ベトナム人留学生は米国で生活する際の詐欺の他に、知らない間に違法行為の片棒を担がないよう、物品の運搬依頼に注意する必要があるという。
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