詐欺商品の広告塔になる有名人が増加、医師らが警告

2022年12月08日(木)10時03分 公開
詐欺商品の広告塔になる有名人が増加、医師らが警告

<写真:VTC>

 

ベトナムでは多くの有名人がソーシャルメディア上での露出を利用して商品の宣伝を行っているが、推奨された商品の中には虚偽の主張をしているものが多く、社会的な問題となっている。

 

最近では有名MCを起用した「関節痛や椎間板ヘルニア、痛風を治すサプリメント」の広告がSNS上で頻繁に登場している。

 

また、某男性俳優はライブ配信で高齢者向けの牛乳について「1日2杯で関節痛が軽減される」と主張し、某女性俳優は「関節痛が軽減する水を使ったサプリメント」「40日以内に痛風が治るという牛乳」の広告活動を行っている。

 

ホーチミン市の脊椎・椎間板疾患を専門とする医師によると、これらの広告は馬鹿げており、慢性疾患を治すという主張は詐欺に等しい。健康関連の誇張された広告を行うインフルエンサーは呼び出される必要がある。

 

曖昧で誇張された広告に騙されて購入した製品が、健康に負の影響を与える可能性も高い。

 

ベトナム内視鏡・関節鏡協会の会長であるタン・ハー・ナム・アイン医師は、セレブ以外にも医師やインフルエンサー、キーオピニオンリーダー(KOL)がサプリメントの誇大広告を行っており、非常に憂慮すべき事態であるとして警告する。

 

多くのサプリメントや伝統医薬品は鎮痛効果を出すためにコルチコステロイドなどの現代医薬品と混合されており、知識なく使用を続ければ合併症や副作用に悩まされる可能性もあるという。

 

診断と処方の知識を何も持ち合わせていないインフルエンサーや、KOLの言うことを聞くことは非常に危険である。

 

JW病院の院長であるグエン・ファン・トゥ・ズン医師もソーシャルメディア上のサプリメントや医薬品、美容製品に関する不条理な広告に憤慨しており、「最近は大半の人が有名人を信用し、簡単に犠牲者が出てしまう。ソーシャルネットワークを使って何でも宣伝・広告することは非常に危険である」と警告した。

 

インフルエンサーやKOLはハイテク製品や家庭用品、食品などのオンライン広告も行っており、それらの広告はソーシャルメディアコンテンツの中に巧みに配置されている。

 

最近では技術系コミュニティで有名なFacebookerが、「新型コロナウイルスを死滅させる空気洗浄機」の宣伝を行っていた。

 

また、TikTokでは金銭の事だけを考え、実際の品質には無関心で曖昧な食品レビュアーが多くいる。少し前には某TikTokerがレストランから金銭を受け取り、大げさなレビューをしたことで非難された。

 

ベトナムでは同様のことが、何度も繰り返しソーシャルメディア上で起こっている。

 

ハノイ市在住のアインさんは、TikTokerの「ハノイで一番安くて美味しい鍋が食べられる店」という言葉を信じてドンダー区の鍋屋に行ったが、味気ないスープに牛肉は不味く、お金の無駄であったという。

 

文化教育委員会のブイ・ホアイ・ソン常任委員は、11月の国会で偽の広告問題を議題に挙げ、消費者の権利に関する法律を改正し、欠点を修正する必要があるとした。

 

また、同常任委員は「最近の有名人や芸術家は非常に稚拙で、腰痛や膝の痛み、頭痛、あとは勃起不全薬の宣伝をいつでもしている。有名人が消費者に与える影響は大きいので、監視する必要がある」とも述べている。

 

情報通信省は2023年末に取り上げられる予定の法改正案で、1万人以上の登録者がいるソーシャルメディアのチャンネルやアカウントは同省に連絡先を提供するように提案している。

 

更に、月に10万人以上が定期的に訪れるコンテンツを制作するウェブサイトやアプリは、同省への活動通知・確認を行わなければならないという。

 

 

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