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Netflixはベトナムの規制から逃げている:情報通信省
<写真:VnExpress>
ベトナムではストリーミング・プラットフォームのNetflixが、同国の法律に繰り返し違反しているが、同国に現地法人を持たないため、罰則を免れているという。
昨年10月にNetflixは、ベトナムの歴史を捏造したとされる韓国ドラマ「Little Women(邦題:シスターズ)」を配信して批判を浴びた。ベトナム情報通信省はNetflixに対し、同作品の配信を直ちに中止するように指示したが、Netflixは同作品の配信を停止するまでに3日間を要していた。
その他にNetflixで配信された作品の「パイン・ギャップ」や「プット・ユア・ヘッド・オン・マイ・ショルダー」、「マダム・セクレタリー」などの映画では、「ベトナムの地図が間違っている」といった指摘が挙げられている。
同省放送・テレビ・電子情報部門のレー・クアン・ツー・ドー部長によると、これらの映画はベトナムのジャーナリズムや映画に関する法律に違反しているが、Netflixは何も制裁を受けていない。
ベトナム政府は国境を越えたオーバー・ザ・トップ(OTT)プロバイダーに、2023年から同国内に事務所を置くことを義務付ける新規制を施行したと発表したが、現時点でNetflixは同規制を遵守していない状態である。
ベトナム有料テレビ協会VNPAYTVのチャン・ヴァン・ウイ会長は、「ベトナムの風習や生活様式、地図を偽って描くコンテンツは国内のテレビチャンネルで禁止されているが、Netflixでは何事もないように放送されている」と指摘する。
ストリーミングサイトVieOnのフイン・ロン・トゥイ代表によると、国境を越えたOTTプラットフォームはベトナムの歴史や主権を偽るコンテンツを配信し、当局の指示があった場合のみ削除をしているが、国内のプラットフォームが同じ違反をした場合、直ちに罰金等の罰則が適用される。
ラジオ・テレビ・電子情報管理局のグエン・ハー・イェン副局長は、同局が海賊版映画サイトと同様にNetflixの接続遮断の実行を検討していることを明らかにしている。また、同局はNetflixを監視し、ベトナムのテレビ協会に加入するように働きかけていくという。
現在、2つのアメリカ企業と3つの中国企業がベトナムでOTTサービスを提供している。
情報通信省は今回の規制強化を「ベトナム国内における有料テレビサービス市場の公平性を確保するため」としているが、明確なロードマップは未発表の状態である。
また、Netflixはベトナムの新規制に関してコメントを発表していないが、ロイター通信が「Netflixは2023年末にベトナムに事務所を開設する予定である」と報じている。
情報通信省の統計によると、ベトナム国内におけるOTTサービスの収入は2022年に1兆5500億ドン(約88億7494万円)に達し、2017年比で27.2%の増加となっている。OTTサービス加入者数は550万人に達し、2017年比で26.2%増となった。
現在、ベトナムには国内外の22の有料テレビサービスプロバイダーが存在しているが、全世界で2億人以上の有料会員を抱えるNetflixが依然として圧倒的な存在感を示している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。