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ムーディーズ、テクコムバンクの格付けを引き下げ
<写真:VnExpress>
米国系民間格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、民間金融機関であるテクコムバンクの長期預金および発行体格付けを、苦境にある不動産セクターへのエクスポージャーが高いことを理由に引き下げた。
同社の通貨預金と発行体格付けはBa2からBa3に引き下げられ、見通しは「安定的」から「ネガティブ」に変更された。
ムーディーズによると、テクコムバンクの格付けと評価の引き下げは、ベトナムの不動産セクターが直面しているストレスが、同セクターへの高いエクスポージャーを持つ同行単体での信用力に悪影響を及ぼすという予想を反映している。
また、今回の格下げは米国の銀行破綻やクレディ・スイス・グループAGの出来事とは無関係であるという。
2022年12月末時点でテクコムバンクの不動産および建設セクターへの融資は、総融資額の29%を占めており、同行は社債という形で同セクターへのエクスポージャーを持ち、総資産の6%を占めている。
不動産セクターへのエクスポージャーの中には、有形株主資本に比して大きな規模を持つものもあり、それらが問題資産となった場合には収益性と資本に変動が生じる可能性がある。
ベトナムの不動産会社によるデフォルトは2022年以降、債券発行の規制強化に加え、政府の反接待弾圧に伴う著名な不動産事業者オーナーや経営者の逮捕によって増加している。
また、ベトナムでは金利の上昇によって不動産販売も弱体化しており、これらの要因から不動産開発業者、特に2023年および2024年に多額の償還期限を迎える債券を持つ高レバレッジの不動産開発業者の債務返済能力が低下しているという。
そのため、不動産業界へのエクスポージャーを考慮すると、テクコムバンクの資産の質は悪化する可能性がある。資金調達と流動性は現在の環境を考慮すれば十分であるが、他のベトナムの銀行と同様に信用ショックに対して脆弱なものとなっている。
ムーディーズは同銀行が今後12~18カ月間に再建資産を含む問題資産比率を2%未満に維持した場合に見通しを「安定的」へ変更する可能性があるとしている。
ムーディーズのレポートによると、2021年時点でベトナムの多くの金融機関が不動産・建設セクターへの高いエクスポージャーを持っており、上位5社はバンベトバンクとナムアバンク、SHB、テクコムバンク、BIDVである。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。