ベトナム観光の課題、外国人の消費額が非常に少ない

2023年04月18日(火)13時17分 公開
ベトナム観光の課題、外国人の消費額が非常に少ない

<写真:VnExpress>

 

ベトナムを訪れる多くの外国人観光客はナイトライフ、ショッピングの選択肢が限られていることや安い旅行体験に不満を持ち、近隣諸国よりもベトナムで金銭を消費することが少ない。

 

ホーチミン市に滞在したインド人観光客のムリナルさんによると、同市は博物館や史跡以外に旅行体験が少なく、バンコクとの比較では非常に退屈な場所で、夜にはストリートフードを試す以外は何もない。

 

6年前に同市を訪れた際と何も変わらず、観光や娯楽活動が少ないため、金銭をほぼ消費していないという。同市に退屈したムリナルさんはクチトンネルを訪れた後、メコンデルタに観光目的地を変更した。

 

ムリナルさんは4日間の旅行で1000ドル(約13万4000円)未満しか消費していないが、多くの観光オプションがあり、深夜まで楽しめるバンコクでは約1300ドル(約17万5000円)を消費している。

 

ダナン市やホイアン市を訪れたイギリス人観光客のジョンさんも同様に、夜間アクティビティの不在と退屈な観光体験に不満を漏らした。

 

欧州では人々が夜間の娯楽を楽しむことが可能であるが、ダナン市やホイアン市では大半の施設が午後11時には閉店してしまうため、観光客はビールを楽しみ、ホテルで健康的に早寝するしか選択肢がない。

 

ホイアン市にはバーやナイトクラブが少ないだけではなく、古い寺院や史跡は午後5時には閉まってしまう。また、パンデミック後に一部の衣料品店や土産物店が閉鎖されたままである。

 

ジョンさんがホイアン市で一晩に使った金額は10ドル(約1300円)以下、主にビールと屋台料理のみであった。

 

韓国人観光客のミンヒさんは大のショッピング好きであるが、数年前にダナン市で酷い目に遭ったため、ベトナム製品には不信感を抱いている。以前の訪問時に祖母へのプレゼントとして購入した300万ドン(約1万7000円)以上する沈香のブレスレットが沈香ではなく普通の木であった。

 

祖母のことを想って購入したものが偽物であり、ミンヒさんは非常に悲しく残念な気持ちになった。

 

ベトナムは昔から国際的な旅行雑誌で「世界で最も安い旅行先の1つ」に挙げられており、観光客は低予算の旅行体験を期待している。2019年には過去最高の外国人観光客1800万人を受け入れたが、消費額は少なかったという。

 

ベトナム国家観光局の統計によると、観光客の平均消費額は1泊7.5ドル(約1000円)で、シンガポールでの消費額の7.5%、タイでの消費額の25%に過ぎない。

 

観光アナリストのファム・チュン・ルオン氏は、ベトナムには外国人観光客がビザの煩わしさに加え、消費意欲を掻き立てられるユニークな旅行体験やナイトライフがあまりにも少ないことを指摘する。

 

いつまで経っても観光業界は商品を変えようとせず、外国人観光客は退屈し、再訪する意欲を失っている。

 

高級小売店Imex Pan Pacific Groupのジョナサン・ハイン・グエン会長は3月の観光会議で、ベトナムにおける外国人観光客の消費額はタイやシンガポール、インドネシア、マレーシア、韓国、日本と比較して遥かに低く、ベトナム観光の大きな課題であることを指摘した。

 

多くの外国人観光客は選択肢の少なさに不満を抱いており、外国人観光客に消費させるために観光業界はショッピングにもっと注意を払い、観光地へ免税店をオープンさせる様な政策が必要であるという。

 

また、ベトナム観光協会のヴー・テェ・ビン会長によると、政府はゴルフ観光などの新商品開発に対してインセンティブを与える必要がある。ゴルフ目的の外国人観光客数は増加傾向にあり、2019年にベトナムを訪れた韓国人観光客500万人のうち100万人以上がゴルフ目的であったという。

 

ベトナムのゴルフ観光にかかる税金は所得税や物品税を含めて30%に達しているが、他国は5~7%であり、ゴルフ観光市場を開拓するためには税金を削減する必要がある。

 

 

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