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失業者のドライバー転向が増加、需給不均衡で生活困難に
<写真:VnExpress>
ベトナムでは増加した失業者の多くがバイクタクシーのドライバーに転向したが、収入がドライバーの供給過多で低下し、不安定な状況に困難を感じている。
4ヶ月前にバイクタクシー運転手として働き始めたレ・バン・マインさんは、午前5時から仕事を始めたが、受けた依頼は午前10時の時点で1回のみで、4万ドン(約240円)の現金しか得られなかった。
マインさんは工場労働者として約2000万ドン(約11万8000円)の給与を得ていたが、昨年から収入が半減したため、より良い金銭的報酬を期待してライドヘイリングのドライバーに転向した。
1日12時間ほどを路上で過ごし、最初の2ヶ月は1日40万〜50万ドン(約2400〜3000円)を稼ぐことが可能であったが、ここ数カ月でドライバー数が増加したことによって1日30万ドン(約1800円)、時には10万ドン(約600円)の収入しか得られなくなった。
ベトナム統計総局が発表したデータによると、今年第1四半期に職を失った労働者は前四半期を13%上回る14万9000人を超えた。解雇された労働者の大半はドンナイ省、ビンズオン省、バクニン省、バクザン省周辺の工業地帯に拠点を置くFDIセクターの企業で働いていた。
民間セクター開発調査委員会は、企業にとって外的・内的課題があるため、解雇の波が今年下半期も続く可能性があると予測している。
学歴や特定のスキルを必要としないバイクタクシー運転手は、解雇された労働者の多くが新たな生計を立てるために最初に選ぶ職業の1つである。
ベトナムで最も人気のあるGrabやGojek、Beといったライドヘイリング・アプリケーションは、キャリアのチャンスを探している解雇された労働者や学校を卒業して仕事を待っている新卒者など、別の職業を探している人々の救世主と考えられていた。
ベトナム労働総同盟の推定によると、2021年にGrabで働くパートナードライバーは20万人を超え、2018年の約17万5000人から増加した。このうち約26%が高等教育機関または同等の教育機関を卒業している。
Gojekは2021年半ばに同プラットフォームのドライバー数が20万人、Beは同年初めにパートナードライバー数が10万人を突破したことを発表した。
当時のドライバーは50万~60万ドン(約3000〜3600円)の日収を得ていたが、ドライバーの供給増加と申請手数料が上昇し、現在では顧客への請求額の30%〜39%がドライバーの収入となり、厳しい状況となっている。
ハノイ市の皮革会社で働いていたグエン・ディン・ブオンさんはドライバーに転向した後、困窮する生活に疲弊して故郷のタインホア省に帰郷することを決意した。
ブオンさんによると、受注の落ち込みにより解雇された元工業労働者の多くは、業績が改善し、労働需要が高まる景気回復を期待して、懸命に生活しようとしている。
経済専門家のフイン・タイン・ディエン博士は、労働市場が近い内に安定した状態を取り戻し、一時的なバイクタクシー運転手が元の職業へ復帰できると予測するとともに、ライドヘイリングアプリのパートナードライバーを長期的なキャリアゴールと考えるべきではないと警告する。
こうしたドライバー職は経済が自然のリズムに従って回復に向かう間の一時的な職業としてのみ扱われるべきであり、その間は楽観的に耐える以外に選択肢はないという。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。