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高学歴の配送ドライバーが増加?ベトナムの若者動向

2022年11月17日(木)09時42分 公開
高学歴の配送ドライバーが増加?ベトナムの若者動向

〈写真:VnExpress〉

 

ベトナムでは知識を深めたり、新しいことを学ぶ時間的自由や柔軟性が高いとして、高学歴の人間が配送ドライバーなどの職業を選択する若者が増加傾向にあるという。

 

先週ホーチミン市で行われた作家との読者会に参加した配達ドライバーが、翻訳者の手を借りずに流暢なフランス語で小説家のMarc Levyに話しかけて周囲を驚かせた。

 

ホーチミン市教育大学の学生であるフックさん(25)が同小説家に話しかける動画は、ソーシャルメディアで瞬く間に拡散された。

 

彼がフランス語の他に英語と中国語、日本語にも堪能であることが明らかになると、多くの人が「非常に優秀なのに、なぜ配送ドライバーをしているのか」という質問を投げかける。

 

フックさんは配送ドライバーは収入がよく、柔軟性があり、新しいことを学んだり、知識をさらに深めたり、自分の好きなことをする時間を確保することができるからであると回答する。

 

ベトナムでは多くの有能な若者が高学歴でありながら、ライドヘイリングアプリなどのドライバーを同様の理由で選択しているという。

 

最近行われた270人への調査では、配送ドライバーの97.3%が男性であり、36.6%が高学歴、ライドヘイリングアプリのドライバーではその割合が20.65%であることが明らかになった。

 

配送ドライバーのギアさん(25)はハノイ科学技術大学工学部を卒業し、同校のプログラムの一環として日本で働くチャンスも得たというが、特別な技術や豊富な経験を必要とせず、毎月安定した収入を得られるとして配送ドライバーの職を選択した。

 

現在の仕事では毎月約2000万ドン(約11万2530円)以上の収入を得ることができるため、物価の高い日本へ行くよりもベトナムでドライバーをした方が良いという。また、高給取りのエンジニアになるには少なくとも5年の経験が必要であり、初任給では家族を養うための仕送りを賄うこともできない。

 

労働科学社会問題研究所のレ・トゥー・フエン研究員によると、時間的自由があり高収入であるといった理由を主に若者の間でドライバーやYouTuber、ブロガーなどを仕事に選択する傾向が強くなっている。

 

しかし、こうした労働者の80%近くが労働契約を結んでおらず、適切な契約を結んでいるのはわずか2%で労働者の権利と社会保障に懸念があるといい、同研究員はこのようなドライバーなどの職に就く人々も社会保険への加入権や失業保険に関する法律で保護される必要があると指摘する。

 

労働組合研究所のブー・ミン・ティエン所長は、高収入のキャリアを選択することは正当な権利であるとして、ドライバーの利益を守るためにGrabやBe、Gojekといったハイテクサービス会社は準ドライバーの社会保険・健康保険制度への加入を支援するための政策を研究・提案すべきであるとしている。

 

国際労働機関(ILO)のアンドレ・ガマ上級専門家によると、英国ではドライバーはUberによって有給労働者として申告され、保険に加入している。

 

同氏はベトナム政府が労働者の社会的保護と保険支援に投資し、健康問題や失業による損害を減らすための長期的な投資と考えるようにと提言する。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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