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ベトナムにおけるタトゥー産業の成長と変化
<写真:VnExpress>
ホーチミン市在住のグエン・チュオン・アンさんは、6年前にイラストレーターとしての仕事を放棄し、タトゥーアーティストとしての道を選択した。
アンさんは広告代理店での職務を継続しながら、タトゥーアーティストとしてのキャリアをスタートさせた。ビジネスが次第に成長するに伴って常勤の仕事を退職し、自らのタトゥービジネスを立ち上げる大胆な選択を下した。
アンさんは「2015年に開業した当時、1日に訪れる顧客は1人か2人であった。現在では、毎月100人〜200人の顧客にサービスを提供している」と語る。
アンさんは現在、7人のアーティストと共に仕事をしており、店内にはマーケティングの専門家も配属されている。近い未来において、さらに事業を拡大する予定である。
ベトナムのタトゥー市場は、タトゥーのイメージが刷新される中で繁栄している。
ベトナム・タトゥー・コンベンションの主催者団体のリーダーであるチャン・タイン・ナム氏は、この産業の詳細な洞察を共有した。ナム氏の情報によれば、ホーチミン市内には既に約1000のタトゥーショップが存在し、この数は年々30~40%のペースで増加している。
アンさんは「数日ごとに新しいタトゥーショップが出現している」と指摘する。
ベトナム・タトゥー・コンベンションでの展示の変遷も業界の成長を物語っている。ナム氏によれば、2012年の初開催時には、参加したタトゥーショップは30社、アーティストは70人であった。しかし、その11年後の現在、参加する代表者の数はそれぞれ100社と250人に増加している。
アンさんは「実際の店舗を持たず、個別の予約にのみ対応するアーティストも増えている」と指摘し、これらのアーティストも一定の評価を受けていることを強調する。
タトゥーショップの増加とともに、タトゥーアーティストの平均収益も上昇傾向にある。アンさんや他の専門家たちの推計によれば、この分野での平均月収は1億5000万ドン(約91万3400円)で、トップクラスのアーティストは3億~5億ドン(約183万〜304万円)を稼いでいる。
タトゥーの技術の進化やアーティストの創造力の向上も、この産業の成長を後押ししている要因の1つである。以前のベトナムのタトゥーアーティストは、クライアントからのデザインの模倣が主流であったが、現在は独自のデザインも増えてきている。
ハノイ市に店舗を持つグエン・フオン・タオ氏は、ベトナムのタトゥー文化の変化に注目し、国内のタトゥービジネスの現状を鑑みて、その背景にある変革を強調する。
アン氏もまた、周囲の人々のタトゥーに対する見方が変わってきていることを感じている。過去のメディアでは、タトゥーを持つ人々は「犯罪者」として描写されることが多かった。しかし、アンさんが両親にタトゥーの意味や背景を説明したところ、理解を示してくれたという。
女性からの視点で見ると、タトゥーが美容の一環として受け入れられる傾向が強まっている。タオ氏によれば、特に女性たちは、体の傷跡を隠す方法としてタトゥーを選ぶ傾向があり、自身の身体を大切に思っていると語る。
業界内のポジティブな動きは、タトゥービジネスの関係者にとって、さらなる成長の期待を持たせている。
しかし、ナム氏はベトナムでのタトゥーアーティストはまだ公式に認められていない職業であると指摘する。ナム氏は国の認可や基準の導入を強く求めており、それが業界のさらなる発展を促す要因となると信じている。
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