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ベトナム旬の珍味「飛ぶ海老」、バッタの価格が急騰

<写真:kienthuc.net.vn>
ベトナム国内で「ムオムムオム(Muồm Muỗm:トノサマバッタ属の一種)の価格が急上昇しており、現在1kgあたり最大で約100万ドン(約6072円)に達している。
ホーチミン市ゴーバップ区在住のホア氏は、幼少期に母親が捕まえたムオムムオムを持ち帰ってきた思い出を振り返るとともに「懐かしい味を家族と楽しむために40万ドン(約2297円)で500gを購入する予定です」と語った。
オンライン市場では、ムオムムオムの価格は種類によって通常50万〜70万ドン(約2866〜4250円)で取引されている。
しかし、若いムオムムオムは1kgあたり85万ドン(約4914円)にまで達しており、前年比で35%の値上がりを見せ、2022年の倍以上の価格となっているという。
ホーチミン市でムオムムオムを販売するナム・アン氏によれば、供給が限られているため価格が急騰している。
アン氏は月に2回、6〜7kgを入荷しているが、需要を満たすには不十分である。さらに、北部地域での最近の台風被害が供給不足を助長し、価格高騰に拍車をかけている。
ハノイ市で昆虫を専門に取り扱うホアイ氏によると、生きたムオムムオムは冷凍品よりも高価であり100万ドン(約5731円)以上の高値で取引される。
タインホア省でムオムムオムを集荷するガー氏によると、1日あたり10〜20kgの新鮮なムオムムオムを北部に出荷しており、輸送費を含まない卸売価格は約40万ドン(約2298円)である。
ムオムムオムは8月から9月にかけてのみ出回るが、農薬の使用拡大によりその数は減少傾向にあるという。
ベトナム昆虫学会のブイ・コン・ヒエン教授によれば、ムオムムオムには「緑ムオムムオム」とと「茶ムオムムオム」の2種類が存在し、いずれもバッタ目に属するが、農作物への被害は報告されていない。
ムオムムオムはベトナムでは「飛ぶ海老」として知られ、特産品として長らく食用にされてきたが、ヒエン教授は乱獲が進めば種の減少や絶滅の恐れがあると警鐘を鳴らしている。
また、野生のムオムムオムは毒性のある植物を摂取する可能性があり、食中毒のリスクがあるため、養殖による管理が必要であると提言した。
さらに、野生で採取された昆虫の食品安全性に関しては、十分な管理がなされていない現状が指摘されている。
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