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世界有数の米輸出国ベトナム、米輸入にも数十億ドルを支出
<写真:tuoitre.vn>
ベトナムは世界有数の米輸出国であるが、2024年1月からの9ヶ月間で米の輸入量が増加しており、年末までに輸入額が記録的な10億ドル(約1426億5000万円)に達する見込みである。
ベトナム税関総局のデータによると、1月からの8ヶ月間で輸入額は約8億5000万ドル(約1212億5250万円)に達し、前年同期比で約44%増加している。
この輸入の背景には、国内の米価格の上昇を抑える狙いがあるという。
ベトナム国内の米市場は輸入米の流通が活発化しており、食品加工業者や米を取り扱う企業の多くが価格競争力を持つために調達を進めている。
特にインドやパキスタンからの輸入米は国内米と比較して安価であり、ベトナム国内での加工食品や家畜飼料の生産に使用される。
ベトナム国内で生産される5%の破砕米の輸出価格が1トンあたり580ドル(約8万2737円)近くに達した一方で、輸入米の価格は1トンあたり480〜500ドル(約6万8472〜7万1325円)と大幅に安価である。
この価格差が輸入米の需要を高める要因となっている。
ベトナム国内では近年、香り米の生産が増加しており、これが一般的な米の供給量を減少させているという。
例えば、麺や餅などを生産する食品メーカーは、コストを抑えるために輸入米に依存している。
大手食品業者は国内米の価格が高騰している中で、インドなどからの輸入米を活用していることを明かしている。
農業農村開発省によると、ベトナムは年間約600万〜650万トンの米を輸出しているが、国内の消費や貯蔵を確保するため、インドやカンボジアからも米を輸入している状態である。
特に安価な輸入米は国内の米価急騰を抑える役割を果たしている。
また、輸入米が国内市場に供給されることで、食料安全保障が維持されており、米の価格が過度に上昇するリスクを軽減している。
ベトナムは2024年に入ってから約615万トンの米を輸出し、収益は38億5000万ドル(約5492億2500万円)に達した。
輸出量は前年同期比でわずか5.8%の増加に留まったが、米の価格上昇によって輸出額は27%近く増加している。
今後、ベトナムは2030年までに年間約4300万トンの米生産を維持することを目指しており、そのうち国内消費分を除いた700万〜800万トンの米が輸出に回される見込みである。
このように、ベトナムは世界的な米輸出国でありながら、国内の生産構造や価格調整のため、輸入米に依存する独特な構造を持つ。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。