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移住労働者の都市離れが加速、地方回帰の波が拡大
<写真:laodongcongdoan.vn>
近年、ホーチミン市やハノイ市といった大都市に移住した労働者の間で、地元へ戻って仕事を続ける動きが広がっている。
この都市離れの背景には生活費や家族との距離、地方政府による人材確保の施策が影響しているという。
かつて多くの地方出身者が憧れた都市生活も、生活費の負担や職場競争の激化が進む中で、「生活はどこでも変わらず、お金を稼ぐだけなら地元で良い」との価値観が広がりつつある。
例えば、法律を学びハノイ市でキャリアを積む予定であったアインさん(28)は、収入が家賃や生活費で消える都市生活に疲れ、地元のハナム省に戻った。
現在は工業団地で安定した収入を得ており、支出を抑えられる地元生活に充実感を見出している。
また、金融業で活躍していたトゥイさん(30)は、家族との時間を重視して地元に戻った1人である。
地方での生活はハノイ市ほどの便利さはないが、家族と共にゆったりとした時間を過ごせる価値が高く、移住を続けることを決めたという。
ベトナムでは地方行政が都市部の生活コストに不安を抱く労働者に対し、地元での雇用を促す施策を積極的に展開している。
具体例としてナムディン省は、産業団地の整備や高等技術の教育機関の充実を図り、地元産業の人材需要に応えるための職業教育や技術研修を推進している。
地元の産業団地には大手国内外企業も参入しており、賃金面でも都市部と遜色のない待遇を提供しているという。
さらに、交通インフラの整備も進められており、ハナム省では幹線道路や鉄道高架橋の建設が進行中である。
都市と地方を結ぶアクセス改善により、工業団地への通勤も便利で安全なものとなっている。
都市から地方への「逆流移住」は単なる住む場所の変更ではなく、生活コストの抑制や家族とのつながりを大切にしつつ、安定した生活基盤を築くための選択となりつつある。
多くの若者が今後も「地元に戻って働く」ことを目標に掲げており、地方の労働力確保や地域経済の発展に貢献することが期待されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。