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ベトナムの若者動向、遠方に住み生活費を節約
<写真:tuoitre.vn>
ベトナムでは都心部や会社近くの家賃が高騰しているため、多くの若者が遠くに住むことを選択している。
通勤に1~2時間を費やすことで、毎月の生活費を節約し、将来のための貯金を増やすことが可能となる。
誰もが便利で快適な都心部や職場近くでの生活を望むが、家賃は収入の大部分を占め、生活費に大きな負担を掛けてしまうため、適切な住まいを選ぶことが重要な課題となっている。
会社から15km離れた場所に住むホーチミン市のトゥンさん(25)は、雨季に差し掛かると毎朝の天気予報確認を欠かさない。
トゥンさんは時折、会社の窓から黒い雲が来ていないかを確認している。
同僚からは「なぜそんなに遠くに住んでいるの?近くに引っ越せばいいのに」と冗談を言われることもある。
トゥンさんは同市7区にあるタン・トゥアン輸出加工区付近の会社で働いているが、自宅はトゥードゥック市にあり、家賃は月額180万ドン(約1万800円)である。
トゥンさんは毎日5時に起きて朝食を摂り、シャワーを浴びてから仕事に向かう。15分でも遅れると交通渋滞に巻き込まれてしまうという。
しかし、遠くに住むことで毎月の生活費をかなり節約できている。大学時代から同じ場所に住み、家主がトゥンさんを家族同然に扱っているため、家賃の値上げはされていない。
トゥンさんは「会社の近くの部屋も見たが、安全性や火災のリスクが心配であった。マンションを借りると高額になるし、現在の場所は広くて快適で、家賃も安い」と語る。
また、残業で遅くなった時は会社に泊まることもあり、600万~700万ドン(約3万6000〜4万2000円)を支払ってまでマンションを借りるのは無駄であるという。
トゥンさんは現在の節約生活を続け、将来は土地を購入することを夢見ている。
タオさん(27)は学生時代の4年間を寮で過ごした後、初任給で350万ドン(約2万1000円)の部屋を借りて一人暮らしを始めた。
初任給は1000万ドン(約6万円)以下で、試用期間中は85%の給料しかもらえなかった。家賃が給料の半分を占めていたが、タオさんは節約する必要性を感じていなかった。
しかし、弟の大学入学に伴い、母親から学費の支援を頼まれた際に、タオさんは生活費を見直し、家賃が安い場所に引っ越すことを決意した。
タオさんは同市ゴーバップ区の会社で働いているが、遠くに住むことで毎月の生活費を節約し、将来のために貯金を増やしている。
タオさんは「毎日バイクで遠方に通勤するのは疲れるし、危険」と言うが、弟が学業とアルバイトを安定させるまでの1年間は頑張るつもりであるという。
若者たちの間で、遠くに住むことのメリットとデメリットについての意見は分かれる。住む場所は経済状況や個々のニーズ、通勤条件によって異なり、経済的に厳しい場合は遠くに住むことで生活費の節約が可能となるが、便利さや快適さを犠牲にすることになる。
交通渋滞や悪天候の中での通勤を我慢することもあるが、将来のための貯金を増やすためには必要な選択かもしれない。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。