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南北高速鉄道の運営・維持費、年間25兆ドンの見込み
<写真:laodong.vn>
ベトナム政府は南北高速鉄道プロジェクトについて、2035年に完成した後、2036年から2066年までの年間運営・維持費が25兆ドン(約1525億円)を超えると見積もっているが、その費用負担の方法は未定となっている。
13日にグエン・バン・タン交通運輸大臣は国会にて、同プロジェクトの投資計画に関する報告を提出した。
同大臣はこのプロジェクトを国の経済社会発展および国防安全保障において戦略的に極めて重要な案件と位置付け、交通需要に応えるとともに、国家競争力の向上に寄与すると強調した。
南北高速鉄道はハノイ市のゴックホイ駅を起点とし、ホーチミン市のトゥーティエム駅を終点とする全長1541kmの路線で、20省市を通過する。
建設規模として、軌間1435mmである標準軌の複線式高速鉄道が採用され、設計速度は時速350km、車軸荷重は22.5トンに設定される。
運行形態は主に旅客輸送を目的としつつ、必要に応じて貨物輸送にも対応可能とする。
また、電化技術や分散型動力を備えた列車システムが導入され、技術水準は世界的な高速鉄道運行国に匹敵するものとされている。
この路線は2027年の着工、2035年の全線完成を目標としており、計画では旅客駅23カ所、貨物駅5カ所が設置される。
各旅客駅周辺には200〜500haの開発用地が確保され、貨物駅は1駅あたり約24.5haの敷地が割り当てられる予定である。
プロジェクトの総投資額は約674億ドル(約10兆4287億5800万円)と見積もられており、これは2021〜2025年中期国家予算の公共投資総額の114%に相当する。
経済効果や需要予測については、これまでのBOT交通プロジェクトにおける過大予測の事例が指摘されており、収益計画や財政の持続可能性に対する懸念が浮上している。
財政調査によれば、2036年以降の年間運営費と維持費は25兆ドン(約1525億円)を上回るとされるが、その財源確保の具体策は明示されていない。
また、政府の財務状況について、平均財政赤字はGDPの4.1%に達し、目標とする3%を大きく上回る見通しであり、直接的な債務返済率も国家予算収入の25%という制限値に近づいている。
経済委員会は、国家財政の安全性を確保するため、プロジェクトが財政赤字や公的債務、国家予算の返済能力に与える影響を詳細に評価し、適切な段階的投資計画を立案するよう政府に求めた。
また、債務管理と資金調達の厳格な監視を通じて、財政の持続可能性を維持する必要性を強調した。
同プロジェクトはベトナムの経済成長や輸送再編、都市開発促進に大きく貢献すると期待されているが、長期的な財政負担を軽減する具体策が求められている。
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