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工業不動産が人気、土地・倉庫・工場の稼働率が高水準
<写真:thoibaotaichinhvietnam.vn>
ベトナムの不動産市場において、工業不動産分野が引き続き活況を呈している。サムスン、LG、フォックスコン、ヒョースン、ネスレといった世界的な製造企業がベトナムでの事業拡大や新規プロジェクトを発表しており、同分野の成長を後押ししている。
CBREベトナムの2024年不動産市場展望レポートによれば、2024年、ベトナムの主要工業団地の平均稼働率は北部で80%、南部で89%に達した。特に電子機器や電気自動車分野の大規模契約が北部の土地需要を押し上げ、吸収面積は400haを超えた。
一方、南部では2023年に比べて吸収面積が減少し、265haにとどまった。これは主要市場での土地不足が影響している。
土地の賃料は北部が㎡当たり137ドル(約2万1621円)、南部が175ドル(約2万7608円)で、それぞれ前年比4.2%、1.4%の上昇を記録した。中部地域ではゲアン省が低コストと豊富な労働力を武器に、ラグジュアリーICTやフォックスコンなどの大手企業を誘致している。賃料は60~90ドル(約9466〜1万4198円)と競争力がある。
準備工場(RBF)市場では、北部と南部ともに過去3年間で最も高い吸収率を記録した。北部の稼働率は88%、南部は89%で、いずれも供給が大幅に増加した中での高水準を維持した。賃料は北部で4.9ドル(約772円)/㎡/月、南部で5ドル(約789円)/㎡/月と、前年比2.0%の増加となった。
倉庫市場においても、北部は年間吸収率が20万㎡と安定している。一方で、南部は40万㎡に達し、前年の倍増となった。これによって南部の賃料は前年比5.3%増、北部は2.1%増となり、2024年末時点での平均賃料は4.7ドル(約742円)/㎡/月となった。
CBREは今後3年間で工業用地の賃料が北部で年間4~8%、南部で年間3~7%の範囲で上昇すると予測している。新規工業団地の開発は北部のハイフォンやビンフック、南部のビンズオン、ドンナイ、ロンアンといった地域を中心に進む見通しである。
また、中部のタインホア、ゲアン、ハティン、クアンナムでも専門的な投資家による新規開発が進み、地域の産業成長を支えると見られる。
一方、準備工場や倉庫の賃料は今後3年間で0~4%の範囲で穏やかな上昇を見せるとされ、新規供給が引き続き高水準で推移する見通しである。
ベトナムの工業不動産市場は、引き続き外国直接投資(FDI)とグローバル製造業者の需要を背景に、成長を続けると期待されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。